死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161725

感想・レビュー・書評

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  • なんでしょうな、これは。
    ものすごく湿っぽいというか、ねちっこく粘ついてくるような。
    何が何だかはっきりしないのだけれど、癖になる。
    主人公(?)が謎過ぎて、アサミも謎過ぎて。
    まず、何がしたい小説なのかよくわからない。
    しかも、京極らしい漢字使いが更に妙な空気に拍車をかけている。

    参りました。

  • はじめての京極夏彦。
    タイトルが嫌いなのでお金出したくなくて、学校の図書館で借りた。

    ケンヤくんのイメージがとても後輩の男の子と似てるから
    他の読者よりはたぶん親近感もって読めました。喋りかたも似てる。笑
    様々な職業・環境の人々と、ケンヤとアサミの物語。

    ラスト3ページで震えた!!!
    びっくりしたー。

    幸せ、不幸せってなんだろう。
    だれも正義でも悪でもなく、ただ生きてるだけなのにね。

  • 殺害された女、アサミ。そのアサミの話を聞かせてくれと関係者を訪れるケンヤ。ケンヤが某憑き物落とし屋か『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造の様に最初は思えた。「あの人」は化物か怪物か、と思わせておいて、最後のページで違った、と、わかる。「謎」の部分は最初の方でわかってしまうので、ミステリーとして読むとがっかりすると思うが、この小説は恐い小説だ。こういう小説を書かせると京極夏彦は巧いなぁ。

    • Sizukenさん
      なるほど、確かにケンヤは喪黒福造ですね!「ブラックジャックっぽい」という人もいましたが、現代的なブラック&ダークな空気感というのも合わせて喪...
      なるほど、確かにケンヤは喪黒福造ですね!「ブラックジャックっぽい」という人もいましたが、現代的なブラック&ダークな空気感というのも合わせて喪黒に軍配です :)
      2010/08/19
    • モヨコさん
      「ドーン」ってカンジでケンヤと話した人は背中を押された様ですよね!?
      「ドーン」ってカンジでケンヤと話した人は背中を押された様ですよね!?
      2010/08/20
  • 健也が訪ねて回る人たちがそれぞれ抱えてる
    暗くて、ドロドロしてて、
    読んでて無意識のうちに眉をひそめちゃったり
    するような感情とか思いも、
    実は自分も感じてることだったりする。
    だから、健也の言葉がすごく痛い。

    死んで楽になるなんて嘘だ。

    健也は亜佐美が何なのかわからなくて怖くなって、
    でも「人殺し」と言われたことで、
    亜佐美も人間だったんだよって
    言ってもらえたみたいに思えて、
    それで安心したんだと思う。

    安心した健也の顔を想像したら
    なんだか可哀想になった。
    どうしてそんなことになっちゃったんだろうって。
    それでも亜佐美は幸せだったんだろうか。
    それが亜佐美にとっての幸せだったんだろうか。

    やっぱり、死んで幸せなんて思えない。

  • なんと形容すればいいのか分からない、不思議な持ち味のミステリ。事件は起こっているけれど、事件そのものに触れられるわけではなく。被害者についての話を聞きたがる奇妙な男によって、淡々と進む物語。この男がまたのらりくらりとわけの分からないキャラクターで、作品はよりいっそう不思議な雰囲気に。
    まさかこういう結末に行き着くとは予想せず。人間の心理の嫌なところをちくちく突いてくれてるなあ、という印象でした。そしてそこに突きつけられた、「死ねばいいのに」という言葉。ぐさりと来ます。

  • 最初の章を読み終わった段階で全体のスタイルがわかるという極めて仕組みのわかりやすい物語になっている。そしてもしやと思う5つめの章の最後に腑に落ちる。
    さらに書き下ろしの6つめの章が圧巻。そうだったのね、と思いながら、そう言えば昨今の殺人事件にも似たようなものがあったような気がしたり。
    カバーイラストだけに山本タカトをチラッと使うのも見事。

  • 読みやすい本ではあったが、微妙だなと感じる点がいくつかあり、
    ・各章の展開が同じなため、途中で少し飽きがきてしまう。
    ・殺人事件を取り扱うものの、ミステリーとしては謎がなく(犯人も早い段階で示唆される)、人物の心理描写が中心なため、謎解きを期待していると少し残念な気持ちになる
    ・渡来の喋り方が(キャラ設定上仕方ないが)読みにくく、読み進めるのにストレスがある。
     理解力がない設定故かと思えば突然頭の回転が速くなったかのように喋るので、都合のいい動きをするためのキャラクターに思えてしまった。
    ・自分自身がふとした時に死にたいと思ってしまうタイプの人間なため、各キャラクターの死に対する心情に寄り添うことが難しかった。
     みんなそんな生い立ちとか精神状態で、なんで死にたいって思ったことないんだ。

     死にたい、と人生で一度も感じたことない人にとっては面白い一冊になるのかも。

  • タイトルに惹かれて読んだ。
    読めば読むほど面白い。
    そして、生きている人間の怖さを知った。

  • 読みやすい!京極さんの文書好きかもしれないと思った。
    ケンヤがアサミの周辺の人に書き込みをしていって、アサミの人物像が段々と浮かんでくる。
    そしてケンヤが人々に言う言葉が!卑屈になりやすくなっている自分に浴びせられてるようで、、笑
    楽しみながら、刺さりながら読めた。

  • 旦那が好きな作家。私は難しいかなーと思って手を出してこなかったけど、
    これはパラパラーとめくったら、読めそうだったので挑戦。

    亜佐美という女が死んで、
    その女について教えてほしいと、ケンヤという男が訪ねてくる。
    愛人、隣人、彼氏、母親、警察。そして最後はとある弁護士。
    みんな、亜佐美のことじゃなくて自分のことばかり喋る。違う、亜佐美はどういう女だったのか知りたいのに。

    このケンヤがまず、読んでてイライラする。
    それが作者の手中に入れられてるのだろうか、本当にムカつく。
    学歴もないやる気もない仕事もない何にもない、ただのクズっす。頭悪いから分からないっス。
    そんな感じでのらりくらり。
    そして対峙する上記の人々は、何かやましさを持っているからか、余計に翻弄されていく。

    最後の6人目でなんとなく全体がわかる。
    けど、ケンジへのイライラは治らないまま、物語が終わる。

    他の作品も登場人物、こんな感じなのかなぁ。
    ちょっとしんどいなぁ

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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