- Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800222916
感想・レビュー・書評
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あまりの面白さに、分厚い文庫なのに一気読み(^o^
事件は、北海道の海に浮かぶ海底油田掘削施設の職員が
「全滅」するところから始まる。
どうやら新種の劇症感染症にやられたらしい。
で、自衛隊だの感染研だのが原因究明にあたるが、
くわしい原因が特定できないうちに次の悲劇が起こる。
今度は、北海道のとある町の住民が「全滅」。
事態はどんどん深刻さをましていく中、
学会から放逐された狂気の天才細菌学者やら、
無能で自己保身ばかりに腐心する政府・官邸やら、
自身の過去に暗い影を持つ熱血自衛官やら、
様々な人間関係が絡まり合い、物語に奥行きを加える。
徐々に原因が明らかになっていく中、
「次に惨事が起こる日」も特定されるが、
これと言った手を打とうとしない無能な政府。
正に現在の日本国そのものと言えるリアルな設定。
このまま行けば、間違い無く「人類絶滅」レベルの脅威。
ただ手をこまねいている日本(政府)は、
諸外国からも見捨てられ始めて...
本当に、次から次へと「手に汗握る」展開が続く。
「全滅」現場の描写など、かなりグロテスクで、
その分「リアル」な訳で(^ ^;
いや、これはもう本当に、文句なしに面白かった(^o^
「日常の謎」が好きな私ですが、そう言えば
中学生の頃とか西村 寿行なんか読んでたなぁ...と
しみじみ思い出してしまいましたとさ(^ ^詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北海道を舞台に人類を殲滅するくらいのウイルスもしくは… みたいな感じでそれを防ぐべく、自衛官、細菌の博士や昆虫の博士などが活躍していく話。
ところどころ、表現が分かりにくいところがあったが、ストーリー全体はとても面白くて、あっという間に読んでしまったくらい。テンポが良かったのかな。登場人物もいい。
次の作品が何か知らないけど楽しみ。 -
自衛隊の実働部隊と政治家がらみのキャリアの温度差がリアルだ。起こりえないとは思いつつも、静かな恐怖に包まれて読み急ぐこと必至。手に汗握るというよりもその現実を想像して震撼する。正体のわからないモノとの戦いはいつも試行錯誤の繰り返しだが、人智を尽くして戦うほかないだろう。
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やるねぇ!面白かった!クライマックスのシーンが妻の実家のすぐそばだったのも良かった。
ジェノサイドといい、パラドックス13といい、最近パニックホラーがきてますな! -
安生正初読。一気に読ませるパワフルなエンターテインメント。このミス大賞受賞作のようだけど、ミステリーのカテゴリーに入れてよいかどうかは微妙。
妙に宗教がかっているところにやや違和感あり。また、登場人物が十分に動けていない感がある。例えば、弓削博士って美人という設定だけど、それならもっとロマンスを絡めるとか、使いようがあったのでは等と感じてしまう。ただ、ぐいぐい読ませる力は凄く、十分楽しめた。 -
傑作ではないが、作家の今後に可能性を感じる作品だった。第11回『このミステリーがすごい!』受賞作。
北海道の沖合の石油採掘基地で起きた謎の惨劇。犯人は未知のウイルスなのか…
なかなか面白いアイディアと物語のスケール感はすごいと思う。現役会社員の新人作家が書いた作品である事を考えれば、細部の間違いなど大した問題ではなく、むしろ、作家の今後に期待すべきではないかと思う。
作品のスケール感は、高野和明の『ジェノサイド』、高嶋哲夫や福井晴敏、マイクル・クライトン並みである。新人作家だけにこのスケール感が板に付いていないだけでなかろうか。