紙で読みたい!驚きの読書体験が味わえるミステリー小説5選

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログ内でも人気のジャンルといえば、やはり「ミステリー」でしょう。
本格ミステリ界隈では、歴史の謎や怪奇現象自体のことを「ミステリー」と呼び、それらを使って推理する作品を「ミステリ」と使い分けることもあるそうです。

そんなわけで今回ブクログでは、本格ミステリーに加え、驚きの読書体験が味わえるミステリー小説を5選ご紹介いたします!紙の本だからこそできる「仕掛け」に満ちた傑作選を、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫)

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫)
杉井光『世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫)
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あらすじ

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。妻帯者ながら多くの女性と交際していた宮内は、その中の一人との間に子供まで作っていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」。宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探しの行方は——?

おすすめのポイント!

神様のメモ帳』など、人気ラノベシリーズを多数発表している杉井光さんの著書です。物憂げで幻想的な装丁が目を引く本作は、発売からすぐにブクログランキングで急上昇しました。健気でたくましい主人公が父の遺稿を探す情報収集の過程を追いながら、徐々に明かされる謎とともに、「あること」に気が付く方もいるかもしれません。また、ラストにも「あ!」と驚かされる仕掛けが潜んでいます。タイトルの意味に要注目の、新感覚エンタメ小説です。

杉井光さんの作品一覧

読み終わって思えばヒントはじょじょに示されており、終盤では明確にわかるようになっているのだけど、読んでて「ああ!」となる瞬間がくること間違いなし。いやはや、すごいよ。装丁もいいですね、半透明の帯とか

とみーるさんのレビュー

2.藤崎翔『逆転美人』(双葉文庫)

逆転美人 (双葉文庫)
藤崎翔『逆転美人 (双葉文庫)
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あらすじ

飛び抜けた美人のせいで、不幸ばかりの人生を歩むシングルマザーの香織(仮名)は、娘の学校の教師に襲われた事件を、手記『逆転美人』にしたため出版した。だがそれは、社会を震撼させる大事件の幕開けだった——?

おすすめのポイント!

元お笑い芸人作家・藤崎翔さんの著書です。ブクログランキングでも話題になった本作は、美人シングルマザーの主人公による自身が被った事件のこと、美人としての苦労を綴った手記がそのまま物語となっています。全体的に密度高めの本文に違和感を覚えますが、物語後の【追記】にて、その違和感の正体が明らかとなります。タイトル通り、まさに「逆転」の発想が冴え渡る一作です。あまりの仕掛けについ誰かに話したくなりますが、ネタバレ厳禁なのでご注意を。

藤崎翔さんの作品一覧

読んだことない類のミステリーでした。読みながらわくわくするというより、見過ごしてもいいかなと思うくらいの、小さな違和感がずっとあり、最後に巻き返す感じ。「ほぉ〜」と感心するような、そんな読後感でした。

みほさんのレビュー

3.泡坂妻夫『しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術』(新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)
泡坂妻夫『しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)
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あらすじ

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体「惟霊講会」。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギ ガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていた——。

おすすめのポイント!

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫さんが描く本作は、マジシャンという顔を持つ著者ならではの仕掛けに満ちた一作です。超常現象に立ち向かう「ヨギ ガンジー」シリーズの第2作ですが、本作から読んでも問題ありません。一見、平凡なミステリー小説のようですが、特筆すべきは、文庫本だからこそできる「トリック」にあります。その秘密を知った時、自身でも実際に試してみたくなることでしょう。本文前に記される注意書きを、どうぞ忠実に守ってお読みください。

泡坂妻夫さんの作品一覧

ガンジー先生のまったりとしたお人柄にアッと言わせたトリックと真相。お知り合いの方にすすめていただいたのですが、楽しめました!こんな巧みな仕掛けがあるとは。ガンジー先生のシリーズは前後に一冊ずつなので読んでみたくなりました!

じゅん先輩さんのレビュー

4.泡坂妻夫『生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術』(新潮文庫)

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
泡坂妻夫『生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
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あらすじ

まずは本作の読み方からご確認を。謎の超能力者と怪しい奇術師、次次にトリックを見破るヨギ ガンジーが入り乱れる長編ミステリー「生者と死者」が姿を現す。

おすすめのポイント!

上記と併せて、ブクログおすすめの「ヨギ ガンジー」シリーズ第3作もご紹介いたします。本作の特徴は何と言っても、ページの一枚一枚が袋綴じされていることです。そのまま読めば短編小説に、ページを切り離せば長編小説になるという、まさにイリュージョンのような作品です。まずは短編『消える短編小説』をお楽しみください。記憶喪失の千秋を巡る物語を描いた本作ですが、短編と長編で全く違う展開を織りなし、緻密な構成力には驚きを隠せません。

ストーリーやプロットに驚嘆はない。もうこれはひたすら文章構成に全てがある。これは推理小説界のみならず、文壇史上最高の仕事だと云っても過言ではないし、また歴史に残る一作と云ってしまいたい。日本語の持つ二面性を巧みに利用して行間さえをもトリックにしてしまう技の冴え!何処までこの作者は行ってしまうのだろうか!?頭の中身はどんな風になっているのだろうか?小説にはまだこんな奇跡を起こす事が出来る、そんな無限の可能性を感じさせた一作だ。

Tetchyさんのレビュー

5.倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』(講談社ノベルス)

三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)
倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)
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あらすじ

招待状を手に東亜学芸大生・西大寺俊は、黒鳥館と名づけられた壮麗な洋館に赴く。招待客は全員無作為に選ばれたという。ウェルカムドリンクを主人から受け取った西大寺は、館内の完全な密室で怪死!!呪われた館を舞台とした凄惨な連続殺人の火蓋が切って落とされる!

おすすめのポイント!

本作は現在、紙の本が入手困難なのですが、紙のレイアウトそのままの電子書籍があるのでご紹介いたします。多彩な小説家でありながら、自ら「バカミス」と呼ぶ作品を数々発表している倉阪鬼一郎さん。本作もその一つです。「黒鳥館」「白鳥館」での連続殺人事件を追う本格ミステリを展開する中、思わず「バカバカしい!」と笑ってしまう仕掛けが本文に隠されています。真相の顛末はもちろんのこと、著者の努力の結晶にぜひとも驚愕してください。

倉阪鬼一郎さんの作品一覧

本作を読まれた方は、ぜひレビュー投稿をお願いいたします!


今回は、驚きの読書体験が味わえるミステリー小説5選をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね。