夏を舞台にしたおすすめマンガ5選!~特別な夏のひとときを~

こんにちは、ブクログ通信です。

みなさんは夏といえばどんな漫画を読みたくなりますか?ひと夏の冒険を描いた作品、夏の情景が美しく描かれた作品、夏の思い出を呼び覚ます作品など、夏をテーマにした作品は暑い季節の読書をより彩り豊かにしてくれます。

そこでブクログから、この夏ぜひ手に取ってほしい「夏を舞台にした漫画」を5作紹介いたします。ストーリーの面白さはもちろん、イラストの美しさにもこだわりました。読めば夏気分が高まること間違いなし!ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!

1.五十嵐大介『海獣の子供』芸術的な海中シーン!アニメと楽しみたい傑作

海獣の子供 (1) (IKKI COMIX)
五十嵐大介『海獣の子供 (1) (IKKI COMIX)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

中学生の安海琉花は、海に近い田舎町で暮らしている。学校が夏休みに入った日、ハンドボール部の友人にケガをさせた琉花は、顧問に「夏休みの間部活に来なくていい」と言われてしまう。やるせない気持ちを抱え時間を持て余した琉花は、東京の海を見に行こうと思いつくのだった。電車を乗り継ぎ、慣れない街で海を探すもなかなか見つからない。そんな琉花が出会ったのは……。

おすすめのポイント!

圧倒的な画力と神秘的な世界観が魅力の作品です。ページを開いた瞬間から、物語世界に一気に引き込まれてしまいます。細部まで緻密に描き込まれた絵を見ていると、まるで映画を見ているような気分になるほどです。本作は高い評価を得ており、第38回「日本漫画家協会賞」優秀賞、第13回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞を受賞しています。2019年にはアニメ映画化され、作中音楽を久石譲さん、主題歌を米津玄師さんが担当するなど豪華な制作陣にも注目が集まりました。夏と海を満喫できる作品です。

五十嵐大介さんの作品一覧

映画の予告が良かったので原作を読んでみることにしました。本来は交わるはずのない海と地上と、この世とあの世との境界が綻びて繋がっているかのような不思議な世界感に魅力されました。ミステリアスかつ世界の海をまたぐ壮大なストーリーで、続きをどんどん読みたくなりますね。

hoshisato3さんのレビュー

2.スケラッコ『盆の国』お盆の1日をめぐる、ちょっと不思議で心温まる物語

盆の国 (torch comics)
スケラッコ『盆の国 (torch comics)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

中学生の少女・秋はお盆に帰ってくるご先祖さまの姿を見ることができた。亡くなったおじいちゃんや愛猫の姿を見られることが嬉しくて、「このままずっとお盆だったらいいのに」と思う。その妄想はなぜか実現してしまった。秋の住む町は、何度も同じ日を繰り返すのだ。次の日も、その次の日も、日付は8月15日のままだ。あるとき、秋は浴衣姿の青年・夏夫と出会う。繰り返す夏の日に、誰も知らない冒険が始まった。

おすすめのポイント!

柔らかなタッチで描かれる、どこか懐かしい夏の風景が見どころです。亡くなった人と生きている人とが共有する時間である「お盆」を、みずみずしい感性で切り取っています。儚くも美しい夏の日を、本作を通してぜひお楽しみください。読み終わった後は前向きな気持ちになれるので、ちょっとイヤなことがあったときに読むのもおすすめです。きっと夏が来るたびに読み返したくなる作品なので、この夏手に取ってみてはいかがでしょうか。

スケラッコさんの作品一覧

めちゃくちゃいいです。めちゃくちゃ面白い。夏の匂い感じられる。お盆の時期に帰ってきてるご先祖さまや亡くなった人たちはこんな感じなのかなって、想像させられる。ひと夏の冒険という雰囲気。ぜひ夏にアニメ映画化してほしい。映画館で見てみたい。大好き。

ingrateさんのレビュー

3.町田洋『夜とコンクリート』日常に溶け込んだ小さな不思議を描くSF短編集

夜とコンクリート
町田洋『夜とコンクリート
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

不眠症の建築士が帰宅途中に出会った男、夏休みの学生たちが遭遇したフランス軍の飛行機、「僕」が出会ったセンニンと呼ばれるおじさん……。普通に暮らす人々が出会った、少し普通ではないヒトやものたち。日常の片隅で起こる奇跡をひそやかに描き出す珠玉の短編漫画集。

おすすめのポイント!

第17回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門で新人賞を受賞した作品『夏休みの町』を収録した短編集です。Webで公開された話題作3作品も収められています。本作を一言で表すなら「SF漫画」が最適に思えますが、ミステリーのようでもあり、人間ドラマのようでもあり、どこか切なさを覚えるノスタルジック作品でもある不思議な一冊です。余白を効果的に使ったイラストは、都会の喧騒の中にふと生じる静寂を感じさせます。一度読んだら忘れられない、特別な夏のひとときを体験できる漫画だといえるでしょう。

町田洋さんの作品一覧

町田洋の初期作品を集めた短編集。眠っている町を題材にした「夜とコンクリート」を読んだりパスで書いたようなカクカクの線を見て思ったのだけど、もしかして建築出身?最低限の線と表現で彩られているのに情景がありありと浮かぶ魅力的な絵と、sf的・幻想的であるがどこか懐かしく切ない世界観がとても心にしみた。ひとつひとつの漫画の「落ち」こそありふれたメッセージであるが、それだけで終わらない魅力がこの漫画にはある。余談だが初読が紙媒体でほんとうによかったと思った。

湿度ケイさんのレビュー

4.漆原友紀『水域』失われてしまった「大切なもの」を思い出させる物語

水域(上) (アフタヌーンKC)
漆原友紀『水域(上) (アフタヌーンKC)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

日照り続きで給水制限された町に暮らす少女・川村千波。マラソン中に倒れてしまった千波は夢を見た。そこは少年と老人が暮らす、豊かな水に囲まれた村だ。千波から夢の話を聞いた祖母は、「それ……ばあちゃんの昔の家じゃないかねぇ」と言うのだった。また行きたいと願う千波が目覚めると、なぜか夢で見たあの村に居て……。

おすすめのポイント!

アニメ化もされた人気作『蟲師』の作者が贈る、切なくも美しい群像劇です。ダムの底に沈んだ村を舞台に、過去と現在が交錯して描かれます。「水」が重要なテーマとなっている本作は、物語全体を通してどこかひんやりとした清涼な空気感が感じられ、夏にぴったりの作品です。ダムをめぐる村人たちの葛藤が1つ1つ丁寧に描かれ、まるでその場にいるかのような没入感を味わえます。心に深く訴えかける作品なので、ぜひ読んでみてください。

漆原友紀さんの作品一覧

蟲師の作家の作品。ダム建設によって水底に沈んだ村を舞台に、雨が振り続ける夢の世界と雨が降らない現実の世界、娘と息子、母、お祖父さんとお祖母さんの美しい絆の物語。現代と過去が繋がり、絆を見つけて行く。美しい水の描写、やさしい会話。どこか物悲しくて、切ない気持ちになる。本当に居るべき場所と、帰るべき場所を知る。現代の環境破壊や開発にただメスを入れようというような作品ではなく、自然や自分自身が本来いるべき場所とはどこなのか、健やかに過ごす時間とは何なのか、そんな事を考えさせてくれる名作。

kurodamaさんのレビュー

5.田島列島『子供はわかってあげない』偶然出会った2人のひと夏の冒険

子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)
田島列島『子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

水泳部のサクタさんは、ある日誰も入れないはずの屋上に人影を見た。気になって屋上に上がると、そこには書道部のもじくんがいて、気晴らしに絵を描いていたのだった。偶然出会った2人は、お互いに好きなアニメの話で意気投合する。翌日ももじくんの絵を見に行こうとするサクタさんだったが、もじくんは何やらトラブルに巻き込まれているようで……。

おすすめのポイント!

素朴なイラストとレトロなネタ満載で紡がれる甘酸っぱい青春ストーリーです。シンプルなイラストながら表情豊かな登場人物たちに、きっと誰もが魅了されてしまうことでしょう。高校生の夏という特別な時間を、マイペースかつゆったりと切り取る本作。ほのぼのした雰囲気と裏腹に新興宗教や超能力、果ては父親探しといった問題まで降りかかり、2人がどうなるのか気になってぐいぐい読めてしまいます。読後には明るく前向きな気持ちになれる、夏の太陽のような作品です。

田島列島さんの作品一覧

ボーイミーツガール。ボーイッシュな女の子が、男の子を好きになる。さっぱりしていながらの恋心にやられました。これはまさに青春。

deroderohさんのレビュー


夏は何かが起こりそうな期待を感じさせる季節です。現実世界ではいつもと同じ夏でも、漫画の世界なら冒険やひと夏の体験をじっくり楽しめます。今回ご紹介した5作品で、ぜひ特別な夏を味わってみてください!