俺ではない炎上

著者 :
  • 双葉社
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  • / ISBN・EAN: 9784575245196

感想・レビュー・書評

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  • まず本の表紙のデザインが凝っている。
    ぼやけたスマホの画面の前面に浮き出る「俺ではない炎上」のタイトル。
    触るとデコボコしている。スマホの表面ガラスが、タイトルごと激しく"ひび割れ"しているのだ。
    タイトル通り、「(犯人は)俺ではないのだ」と誰も信じてくれない絶望的な悲痛の叫び、壊れそうな心にも見える。
    またスマホ一つで被害者にも加害者にも成り得る警告ともとれる。
    また他の方のレビューから気付かされたことになったが、度々出てくる「自分は悪くない」という意味の「俺ではない」。なるほど、責任逃れの自己を正当化する言葉…その言葉への戒めにも見えてきた。

    ある日突然殺人犯に仕立てられ、ネットで「犯人はコイツ」と実名と顔写真を晒され拡散されたら……?
    また別の視点で、
    ・上記の人物が家族や友人、職場の人だったら…?
    ・一般人として、犯行を自慢するTwitterを発見したら…?
    私たちはどうするだろうか?

    明日は我が身かも知れない恐怖を感じた。
    ネット社会の怖さがリアルに伝わってきた。

    (その他)
    ・真犯人の境遇や犯行動機についてもっと詳しく知りたかった。
    ・この叙述トリックは大胆かな…ちょっとずるいなと思ってしまった。でも最後まで夢中にさせられたので、仕掛けがうまいのだろう。

    (その他2) 1/31追記
    関係ないかもしれないけど、読んでいて「この感じは……(ざわざわ)」と他作品が一瞬よぎった。
    ・湊かなえ「白ゆき姫殺人事件」(SNSの怖さ)
    ・朝井リョウ「何者」・辻村深月「噛み合わない会話とある過去について」(他人に自分の欠点を指摘され気付く)
    ・アガサ・クリスティ「春にして君を離れ」(過去の己の言動を省みる。省みたはいいがその先は…?)

    • 1Q84O1さん
      なおなおさん
      見て見て!
      色分けしちゃいましたw
      自分の本棚見たら白系のジャケットが多かったのでまずは『白』で!

      確かにタグが増えてちょっ...
      なおなおさん
      見て見て!
      色分けしちゃいましたw
      自分の本棚見たら白系のジャケットが多かったのでまずは『白』で!

      確かにタグが増えてちょっと厄介かも…www
      2023/02/14
    • なおなおさん
      1Qさん、こんにちは!
      おお!白系ジャケット!見事です!
      見ていてなるほど…と飽きません。
      しかし乙一のアノ絵本は「ピンク」系では?笑
      他に...
      1Qさん、こんにちは!
      おお!白系ジャケット!見事です!
      見ていてなるほど…と飽きません。
      しかし乙一のアノ絵本は「ピンク」系では?笑
      他にもキレイなピンク色の本があるじゃないですか〜!タグ付けしてまとめないと!(≖͈́ㅂ≖͈̀ )ニヤニヤ
      2023/02/14
    • 1Q84O1さん
      あの伝説の絵本w
      今回は『白っ!』で登録させてもらいました(^_^;)
      やっぱりピンクかな…w
      色分けも楽しいですね(*^。^*)
      あの伝説の絵本w
      今回は『白っ!』で登録させてもらいました(^_^;)
      やっぱりピンクかな…w
      色分けも楽しいですね(*^。^*)
      2023/02/14
  • まことさん、たけさん、こっとんさん、
    autumn522akiさん、どんぐりさん、もりひろさん、フォロワーの皆様揃って高評価だった為、Amazonでポチっと購入。

    フォロワーの皆様の感想が兎に角素晴らしくて、私も絶対この本を読まなくてはと思ってしまった。

    あー!この展開!逃げて逃げて逃げまくるのね!!
    ゴールデンスランバーが頭を過ぎるも、この作品はまた全然違う。

    ある日Twitterに血を流した女性の写真が投稿される。
    あっという間にリツイートが増え、投稿がバズるとネット民の中で犯人探しが始まる。

    10年ほど前に作られたアカウントだった。
    過去の写真の投稿、庭の写真、ゴルフバックの写真等々から、ツイートした人物が特定された。

    山縣泰介が一連のツイート主らしい。
    情報はあっという間に拡散される。

    一方、当の本人、山縣泰介は全く身に覚えのない中で、ネットの中で自分が殺人事件を犯した犯人にされていることに気付かされる。

    警察に保護してもらうべきか?
    いや、今警察に保護を申し出たら、連日眠る時間を与えられないほどの厳しい尋問が待っているに違いない。

    泰介は逃げるという選択をする。


    そこからの逃亡劇。
    誰が何のために泰介を貶めようとしているのか!?


    いや、一気読み!
    一緒になって逃げているような気持ちになるほどの臨場感。

    猛烈に引き込まれ、途中で読書を休憩することが出来なくなるほど。

    この本には、逃走劇の面白さはもちろんだが、上司と部下、父と子、夫と妻等々、考えさせられる部分もたくさんある。

    私も会社では結構なお局様で、ひょっとしたら煙たがる人もいるのかなぁ?と少し反省しながら読んでしまった(笑)
    常に謙虚な気持ちで居なくては。こんな風に考えさせられる場面も多い。


    最後ちょっと混乱してしまったのだが、犯人が殺人を犯した動機って書いてありましたっけ?
    私読み飛ばしてしまったのか!?

    奥さんが山縣に話があると言っていたが何だったのか?書いてあった??

    いやこれは、もう一度読まないといけないやつか??

    いやいやしかし、とても楽しい時間だった。こんな素敵な本に出逢わせてくれたフォロワーさん皆さんに感謝!!

    • bmakiさん
      こっとんさん

      ありがとうございます。
      私の拙い感想に、共感下さり幸せです!

      他の人から自分がどう見えているのか、、、
      みんな...
      こっとんさん

      ありがとうございます。
      私の拙い感想に、共感下さり幸せです!

      他の人から自分がどう見えているのか、、、
      みんな気を遣って本当のことなんて教えてくれないでしょうから(^^;;

      自分がそんな人間ではないことだけ信じたいです。

      こちらこそ、今後とも宜しくお願い致しますm(_ _)m
      2022/09/13
    • bmakiさん
      たけさん

      いやぁ、Amazonでポチらせて頂いて、本当に良かったです!
      もう題名から惹かれました!

      確かに今時のネタですね。そ...
      たけさん

      いやぁ、Amazonでポチらせて頂いて、本当に良かったです!
      もう題名から惹かれました!

      確かに今時のネタですね。その他の本を読んだことはないのですが、注文させて頂きたいと思ってます。
      素敵な作家さんを教えて下さり、ありがとうございます(^^)

      次の本が、、、、
      気になりますね。

      先輩から大量に本を借りてしまいましたので、読み終わりましたらまた探してみたいと思います(*^▽^*)
      2022/09/13
    • bmakiさん
      naonaoさん

      ありがとうございます(*^▽^*)

      話題の一冊ですよね。
      でも、フォロワーさんの評価にハズレは無いですね!!...
      naonaoさん

      ありがとうございます(*^▽^*)

      話題の一冊ですよね。
      でも、フォロワーさんの評価にハズレは無いですね!!

      naonaoさんの独特な感想も、いつも超楽しませてもらってます(´∀`)

      文庫待ち、、、
      そんな本も沢山あります(笑)

      あー、どこかから、大量に本が降ってこないかなぁ。。。
      2022/09/13
  • 想像していた以上に勇気を貰える格好良い作品でした。

    本作『俺ではない炎上』は、浅倉秋成さんのデビュー作『ノワール・レヴナント(通称デブッちょ)』を読み終えてから、ずっと読みたい気持ちを抑えつつ、積読もそこそこ減ってきたある日のブックオフで購入したのですが、なんとサイン本!!

    (なんたるご縁!!)

    とウキウキしながら読み始めましたが、いやぁ〜、このトリックは再読必要かもですね(^_^;)
    しかしながら、とても良い読後感とメッセージ性は嫌いじゃなかったです^_^

    あらすじですが、大手ハウスメーカーに勤める主人公(部長級サラリーマン)は、自分が投稿した記憶がないTwitterで殺人事件の容疑者扱いされる。
    瞬く間に拡散され、警察も動き出す事態になったが無実を証明する術も分からず、ひたすらに逃亡を続ける。はたして主人公は無事に逃げ切り無実を証明出来るのか、そして真犯人は?

  • え?

    え??

    どういうこと??


    混乱!!!


    っていうのが終盤の私の感想です。笑


    なんとか理解はしつつも
    なんか腑に落ちない


    2回目読み出そうか迷っているところです

    そして多分読みます笑



    にしても
    自分はやってないのに
    アカウントができてるの怖すぎる…


    そして嫌われてたことを知ってく過程も
    つらいー!!

  • 【血の池地獄】と書かれた、公園で女性を殺害したかのような画像を掲載したツイートを見た、住吉初羽馬は、早速リツイートをした。
    それが拡散され、見る見るうちに、発信者は、大帝ハウス大善支社営業部長、山縣泰介と特定された。

    本人は、一度もTwitterをやった事がなく、そのツイートにも、全く覚えがなかった。

    そのうち、そのツイートが炎上し、制裁を加えようとする人間が溢れ出す。

    会社を追われ、警察にも追われて、逃避せざるをえなくなった。

    自分は悪く無い。自分の価値観だけが正しい。
    そんな、無責任なネット社会を見事に表した作品。
    最後のどんでん返しに、え?え?となったが、面白い作品だった。

  • 勇気を出してレビューします。
    ほとんどの方のレビューを読むと、“面白い、ドキドキハラハラ、一気読み、SNSの怖さ、etc…”

    私はというと、ドキドキハラハラするどころか、勉強不足なのに自己主張ばかり強い、自己愛が強く自分を守ることに一生懸命な者への筆者の手厳しい描写にヒリヒリしました。
    相手のことを考えられない自己正当化は、他人からみるとこんなにも滑稽なのかと。自意識過剰だと自分では気付くことができないんですね、気付かぬうちに人に嫌われています。
    人間のグレーな部分が気になって気になって、終盤のどんでん返しの衝撃はほぼ感じられなかった_:(´ཀ`」 ∠):
    でも、叙述トリックの仕掛けは上手ですね、時間軸の違いでクッキーが腐っていたサインなど、さりげなくて好きです。

    しかしですね、私は真犯人の心の内が知りたいんですよっ‼︎
    あんなに真っ直ぐ現実も未来をも見ていた彼が、いくつ絶望すればああなってしまうというのか。
    人の役に立ちたいと思い行動していた彼、自分の正義を持っていた彼に何があったのだ。
    小5で初めて山縣泰介へ抱いた黒い感情、そしてこの事件までの話、それが知りたかった。
    そして、事件発覚から犯人逮捕までたった1泊2日のお話だったことにびっくり、逃亡劇こんなに短かったのねΣ(゚д゚lll)

    • あゆみりんさん
      チーニャさん、待って待ってーっ‼︎
      “期待させちゃった”とか思わないでくださいっ、私はこう読んでしまったというだけなのでね。
      チーニャさんの...
      チーニャさん、待って待ってーっ‼︎
      “期待させちゃった”とか思わないでくださいっ、私はこう読んでしまったというだけなのでね。
      チーニャさんのレビューは、楽しく拝見させてもらいました(〃ω〃)
      それにしても筆者の書くTwitterのリアルさ、すごいですよね。どっかから、そのまま拾ってコピーかと思うほど、ものすごく胸くそ悪かった(言葉が悪くてごめんなさい)ですね、描写が上手すぎて。
      でもね、近々「六人の大学生」も読みますので全然めげてませんよ(´∀`*)

      チーニャさん、気を遣わせてしまってごめんなさい、コメントありがとうございました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
      2023/02/08
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      あゆみりんさん、おはようございます~(^^)
      お返事ありがとうございます。

      そうですね~
      いろんな考え方、読み方がありますもの。 ホントに...
      あゆみりんさん、おはようございます~(^^)
      お返事ありがとうございます。

      そうですね~
      いろんな考え方、読み方がありますもの。 ホントにそうです。
      それで私はあゆみりんさんのレビューを楽しみに待ってたのですよ~

      思ったことを自由にレビューできることがブクログの楽しさですもんね~
      あゆみりんさん、ありがとうございます(^o^)

      今日も、よい一日をお過ごし下さい ♪
      2023/02/08
    • 音旅さん
      あゆみりんさん
      確かに逃亡劇,1泊2日ですね!!
      そんなに短かったのか…
      読んでいてすごく長く感じました。
      山縣泰介の体力凄まじいですね(笑...
      あゆみりんさん
      確かに逃亡劇,1泊2日ですね!!
      そんなに短かったのか…
      読んでいてすごく長く感じました。
      山縣泰介の体力凄まじいですね(笑)
      2023/07/15
  • SNSで一瞬のうちに素性が暴かれてしまう。
    とんでもないことに「女子大生殺害犯」に仕立てられ逃げるはめになる。
    まさか自分が、なんで、SNSすらやってないのに、となるのだが…
    SNSに追いかけられているようである。
    実際、どうしたらこうなってしまうのか⁇
    わからないから余計に読むスピードも早くなり、知ってしまえばそういうことかと。

    納得できないわけじゃないが、けっしてみんなから好かれているわけじゃなかったんだと気づいた泰介への忠告だと考えるには、無謀すぎてちょっと複雑になっていたかなと思う。

  • 『六人の嘘つきな大学生』が面白くてこちらの作品も読んでみました

    私はTwitterやFacebookなどSNSには疎いのでチンプンカンプンですが、本作を読んで怖ぁぁ〜と思いましたよ…
    ネット上に個人情報が載る、デマ情報が載る、誹謗中傷が載る、間違った情報が…、ネット上にあがってしまえは完全に消すことは不可能では…
    それだけでも怖いのに本作では、「女子大生殺害犯」とされ実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上!
    まったくの事実無根だが誰も信じてくれず必死の逃亡を続けることになる

    一体、真犯人は誰だとなりますよね!?

    ドキドキハラハラと読み進めていきますが…

    んっ!?
    あれ!?
    犯人が…
    えっ!?
    どういうこと?
    終盤は私の頭ではちょっと理解できないところが…
    (´ε`;)ウーン…

    みなさんのレビューを参考にさせて頂き何となく理解できましたw
    完璧ではないですがそういうことかと!w

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ほん3さん、おはようございます♪
      こちらの作品!

      ほん3さんも、読まれるとの事ですね~。良かったです~
      レビューを楽しみにお待ちしています...
      ほん3さん、おはようございます♪
      こちらの作品!

      ほん3さんも、読まれるとの事ですね~。良かったです~
      レビューを楽しみにお待ちしています!!(*´▽`*)
      2023/04/24
    • 1Q84O1さん
      mihiroさん、どーもです♪
      ぜひ気長に待って読んでみてください(^。^)
      ただーし!お時間があるときにw
      3回目のリターンにならないよう...
      mihiroさん、どーもです♪
      ぜひ気長に待って読んでみてください(^。^)
      ただーし!お時間があるときにw
      3回目のリターンにならないようにですねwww
      2023/04/24
    • 1Q84O1さん
      チーニャ隊長の発案で「浅倉さんに抗議しましょうの会」が発足w
      みんな集まれ〜www
      チーニャ隊長の発案で「浅倉さんに抗議しましょうの会」が発足w
      みんな集まれ〜www
      2023/04/24
  • うまい。読ませるなぁ。
    前作『六人の嘘つきな大学生』でも感じたけど、そろそろこの展開飽きてきたなぁ、とかどうせ次はこういう展開だろうと思っているところにちゃんと転換点を持ってきてくれる。
    なので、飽きずにどんどん読み進めることができる。
    この力は最近読んできた新しめの作家さんの中では一番感じる。

    内容的には前作では”就活”、今作では”SNSでの炎上、乗っ取り”という現代的なかつ比較的極小なテーマにスポットライトを当てつつしっかりミステリを混ぜ込んでいる。
    前作であれだけ色んなことやったのだから、これを使ってくるというのは容易に想像できてしかるべきだったのだが、SNS炎上しかも冤罪という内容こそ過激すぎるものだが、自分に降りかかった場合、太刀打ちできない恐怖に目がくらみ見抜けなかった。

    ”ネット上ではみんなおんなじことを言っている(表面的な意味では全くおんなじ意見だけが飛び交っているわけではないが)”という戒め、炎上の渦中にさらされた泰介(若くしてそれなりの地位、それなりの成功を得たプチエリートサラリーマン)が途中自己の傲慢さ、他人から見た自分像を省みる過程にも胸中一石を投じられた一冊。

  • 「六人の嘘つきな大学生」が面白かったのでこちらもAudibleにて。

    まんまと騙されました。
    違和感に気付いてからもえ?どういうこと?ちょっと待って…と頭が追いつきませんでした(笑)
    こういう時、紙の本ならペラペラと戻ってみたりできるのにー!ともどかしくなりました。

    騙された気持ちよさはありますが、事件の真相などすべて読み終えてスッキリ!とはならず、ちょっとモヤモヤが残ったのが残念。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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