- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488406219
感想・レビュー・書評
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「ジェリーフィッシュは凍らない」
第26回鮎川哲也賞受賞作。
「そして誰もいなくなった」「十角館の殺人」への挑戦。クローズドミステリーに、あの文言を風物させる一言に、ジェリーフィッシュと言う空想の産物。その結果、最後の締めを含めて、見事に完結させている。
特殊としては、パラレルワールドの80年代を舞台にしている点。独自の技術発展により、ジェリーフィッシュが開発され、その根源が今回の連続殺人事件の発端になっている。この設定がトリック創出にも貢献していて、関係者が一人ずつ減っていく為、結末の意外性の演出が難しい点を解決していると言う解説には頷かざるをえない。パラレルワールドのおかげ様々だ。と思うが、よくぞこれを組み込もうと思ったものだ。
ジェリーフィッシュを舞台にする殺人を描く過去と警察のマリアと蓮が捜査を進めていく現在の2パートの合間に、犯人の独白が挟み込まれている。
キーワードはR。これを頼りにマリアと蓮は捜査を進めていく。冷静沈着な蓮と奇抜な発想型のマリア。二人は本事件以降もタッグを組むが、いきなりでかい事件にあたったものだ。解決まで見届けると尚更思う。こりゃ上手くやられたものだと。とは言え、最後まで来たのだけでも凄腕だ。こりゃ分からんて笑。それでも、閉職に追い込まれるなんて、そしたら空軍はどうなるんだ?とか思ったり。
稀代のミステリーに挑戦と言うのは偽り無し。 -
ジェリーフィッシュという、架空の乗り物で起こる連続殺人。深読みしながら読み進めていったけど、そのパターンは見落としてた
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沢山のトリックが散りばめられていてどんでん返しのような展開でした。
犯人が物語後半までわからずとてもわくわくさせてもらいました。 -
うーん、何だろう……私にはあんまり合わなかった?
話のオチも読めちゃったしテンポ感もちょっと苦手で……続き読んでみたら少し印象変わるのでしょうか? -
試験飛行中の飛行船が突如制御不能となり、雪山へ避難するが、数日後、全焼し乗組員は全て他殺体となって発見された。クローズドサークル。密室。最高に面白かった!章立て、キャラクター、数多い謎と緻密な推理、とれもドンピシャに好みで、とても読み応えがあった。読後の余韻もなんとも言えず良い。もっと早く読めば良かった〜マリアと蓮のコンビ、特に蓮のクセになるイヤミがまた見たいので、次も読みます。
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雪山に不時着した、小型飛行船(ジェリーフィッシュ)。閉鎖状況の艇内で起こる連続殺人―。
初めての市川憂人san。
「ジェリーフィッシュ」、「地上」、「インタールード」の3つの視点で進んでいきました。しかも、プロローグでいきなりの殺人・・・これで釘付けに。『方舟』以来のクローズド・サークルミステリーでした。本作もあっという間の読了です。
アルファベットの国名や、マリア&漣の少し古い感じの海外ドラマ?の様な会話も、私は楽しめました。特に最後で犯人を追い詰めたマリアが、”馬鹿だ”といった真意。これが犯人の心に届いたと思ったのですが。。ラストシーンも納得です。読了後、あらためて綺麗な装丁を見て、しばらく映画を観たような気分になりました☆
【第26回鮎川哲也賞】