ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 285
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488406219

感想・レビュー・書評

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  • トリックは全く思いつかないようなもので、犯人の心情とかも、読んでいてとても面白かったけど、何回も読みたいかと言われるとそうでもない。なんでやろ…

  • 派遣社員???から始まった、この小説。
    軍も関わるプロジェクトなのに、なぜメンバーの中に派遣社員がいるのだ?
    なんだか、おかしいぞ、、、

    だが、読み進めていくと、この派遣社員にはレベッカとの関わりがないようだ。
    じゃあ、こいつは犯人ではないのか? とすっかり騙される。

    多分誰かが入れ替わってるんだろうなぁ、とかジェリーフィッシュが他にもあったんじゃないか? とかは思い浮かぶのだけれど、『じゃあ、どうやって?』が浮かばないので消えていった。

    物語途中であーでもないこーでもないと会議をしていたマリアたちの中に参加していた気分。
    面白かった。

    著者はすごく頭の良い人なのだと思う。
    複雑で、ごちゃごちゃしている事件なのだが、理路整然としていて分かりやすかったから。
    作者の頭の中でしっかりと整理されているのが伝わってきた。

    巻末の紹介を見たら、東京大学卒と書かれていた。
    あぁ、やっぱり。

    また、事件の内容もさることながら、合間合間のインタールードがすごくよかった。
    やり取りのひとつひとつがノスタルジーで、でも犯人の「あのとき、こうしておけばよかった」と思っている後悔も言葉の端々からひとつひとつ伝わってきて、心に刺さる。

    個人的には事件よりもインタールードのセピア色の感じの方が好き。
    こっちがメインの小説も読んでみたい。
    青春小説とか。

    すごく面白かったのだが、それだけにマリアと漣の漫才のようなやりとりがテンポ悪く感じた。
    削ってもいいと思う。

  • 十角館の殺人の再来を期待して。
    大掛かりな仕掛けはテンションがあがったが、国外逃亡の計画は犯人に都合が良すぎたような。
    まあ他人の殺人計画を逆に利用ってのはありがちではあるか。
    ジェリーフィッシュが2つであることを巧妙に隠す描写がもう少しあると伏線回収の興奮がより大きかったように思う。
    犯人についても、まさに「あなた、誰?」。
    てっきり地上パートの誰かと同一人物かと期待したのでやや拍子抜け。
    二場面進行ということで、推理のワクワクは味わえたが…。
    個人的には空軍関係者に犯人がいるかと思ったが、推理が浅すぎたようだ。

    最後に、レンって意図的に性別伏せられてるよね?
    明記箇所見落とした?
    今後の伏線になるのだろうか。

  • 犯人が分からずどんどん止まらず読み進められた。
    トリックがわかった際は驚いたが、思ったほどの展開ではなかった部分もある。
    しかし全体として描写が細かく、物語にのめり込むことができ面白かった。

  • 内容もしびれまいsたが、マリアと蓮のやり取りがいい!

  • 久しぶりの本格ミステリ物。満足度としては上々。

    非常に面白いミステリではあるが、『第二の十角館』という前評判のせいか、きたいを上回るものではなかった気がする。叙述ミステリへの苦手意識もあって、本作のSF要素とミスディレクションを絡めた謎解きにあまりカタルシスを感じられなかったのかもしれない。

  • ほぼ一気読み!面白かったー!
    元々綾辻行人の十角館の殺人が大好きなので、その作品に挑戦!ってことでなるほど、と。
    パラレルワールドでとはいえ事件そのものも面白かったし、マリアと漣のコンビもいい。次作も絶対読みたい!

  • 謎は大きく分けて2つ。犯人は誰で、どこに潜んでいたのか。犯人は現場からどうやって消えたのか。
    前者に関しては元々バラバラの遺体が運び込まれていたということと誰が犯人であるかは、途中で見破れた。
    ただジェリーフィッシュが2つあったことは最後まで見抜けなかった。
    犯人がわかる描写の既視感はまさに「十角館の殺人」のそれだった。しかしこの小説の肝は十角館のそれだけではなく、犯人がどう消えたかという謎も楽しめて、おもしろかった。

  • この本は発売された頃から読みたかったのだけど、なかなか中古本屋で見つけることが出来なくて、ようやく今になった。

    特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。
    その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人が、新型ジェリーフィッシュの最終確認試験に臨んでいたところ、閉鎖状況の艇内で教授が死体となって発見されて…、という発端。
    ここから話は、警察の捜査と艇内の出来事が交互に語られ、間に犯人と思しき人物の独白が挟まるという構成。

    これはなかなか面白く読めた。
    革新的な飛行船を題材にしながら、携帯電話もDNA鑑定もない舞台設定がまず絶妙。
    警察の捜査と艇内の出来事が少しずれた時制で語られるのも巧みな運び。
    書き振りもフェアで、密室殺人の謎解きに色々な仮説が提示され、それらがことごとく否定されていくという繰り返しは、事件のあり得ない状況が際立つ仕組み。
    明かされた真相はしっかり読まないと理解しがたい入り組み方で、図らずも犯人に語らせたように『多くの運と成り行き』ってところもあるけれど、それでも私は良しとするほう。
    ひとしきり読み終えてから、犯人の回想に従い該当の頁を探して読み、一粒で二度おいしいといった感じ。

  • 架空の航空機を題材にしているのは面白かった。
    ただ、後半あそこまで傍点を多用されるとしらけてしまう。正直まったく意外な展開ではなかったし…。
    地上パートのキャラ設定もちょっとあざとく感じた。嫌いではないけど。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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