あの人は、そういったなつかしいものや、胸の痛むことや、どうしようもなく歯ぎしりするようなことのすべてだった。
あの人がかさをさして雨の校庭を横切ってやってくるのを見ているだけで、僕は何かを思い出しそうになって気が狂いそうになったものです。

2024年5月8日

読書状況 読み終わった [2024年5月8日]

その女だけがもつ体のパーツの一つひとつが、それが愛する女のものであれば、彼にとってはかけがえのないものになった。持ち主にとってよりも大切なものだった。

2024年3月26日

読書状況 読み終わった [2024年3月26日]

不幸な女よ、親切なおれは、おまえのために、
中央委員会だろうと、臨時総会だろうと、
思いつく限りの会合を思いついてやるつもりさ。

2024年2月6日

読書状況 読み終わった [2024年2月6日]

子易氏は後日、どうして日常的にスカートをはくかとうことについて、親切にわかりやすく説明をしてくれた。
「ひとつには、こうしてスカートをはいておりますと、ああ、なんだか自分が美しい詩の数行になったような気がするからです」

2024年1月1日

読書状況 読み終わった [2024年1月1日]

この手ごたえだけ重い、
不可解な縺れをとくことはできないな。
生きている人間を相手にしているのでは、
決してそれは、やれないな。

2023年12月1日

読書状況 読み終わった [2023年12月1日]

これほど豊かな肉体が、これほど孤独だというのは、不公平すぎるような気がする。
同時になぜか似合っているような気もした。

2023年11月14日

読書状況 読み終わった [2023年11月14日]

《死》は僕にとって百年後の自分の不在、幾百年、限りなく遠い未来の自分の不在ということだった。それは遠くはるかな時代にも、戦争が行なわれ子供らは感化院に収容され、同性愛の男らのための娼婦をつとめる者らがおり、極めて健康な性生活をおくる者らもいるだろう。しかしその時僕はいない。

2023年9月9日

読書状況 読み終わった [2023年9月9日]

高は最後の力をふりしぼって、まっすぐ立ちつづけていた。
まっすぐに立つことこそ、人間の尊厳の度合いだというのが、日頃の彼の信念だったのである。
たぶんそれはぜんぜんの間違いではなかっただろう。
彼は直立しているつもりで、実はおかしいほどぐらぐら揺れ続けていた。

2023年9月3日

読書状況 読み終わった [2023年9月3日]

人生って、誰か1人を愛することよりずっと大きいんだと思う。あなたはその人生に出ていくべき人よ、スティーブ

2023年8月6日

読書状況 読み終わった [2023年8月6日]

先生はあのとき、我々が学ぶことを望み、何ごとかを知ろうと望むならば、そのためにはもしかすると一方の腕を差し出すことになるのかもしれないのだと言っていた。
学ぶということの本質は実に、そういうことなのかもしれないのですと。

2023年8月3日

読書状況 読み終わった [2023年8月3日]

見渡すかぎりの曠野です。
その中でぼくは静かに果てしなく成長してゆく壁なのです。

2023年7月13日

読書状況 読み終わった [2023年7月13日]

いい音だ、と真雪は思う。
もうじきこの人は帰ってしまうわけだけれど、
この音だけは私にくれればいいのに、と思う。
せめて音くらい、ここに残して行ってくれればいいのに、と。
そうすれば、真雪は一晩中この音を聴きながら眠ることができる。
朝、目が覚めて最初に耳に飛び込んでくるのもこの音だ。
会社から帰って、ドアを開けた真雪を迎えてくれるのも。

2023年6月21日

読書状況 読み終わった [2023年6月21日]

自分の体が自分のものでしかないとき、体自体が必要じゃなくなる

2023年6月14日

読書状況 読み終わった [2023年6月14日]

もうぼくのことなんか忘れてしまったみたいだ。
胸がうずいた。
そうなんだ、他人の記憶の中で生きるのだって、
けっこう骨が折れることなんだ。

2023年6月3日

読書状況 読み終わった [2023年6月3日]

愛の第一原則は「捨てぬこと」です。
人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。
人生が辛くみにくいからこそ、人生を捨てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。

2023年5月23日

読書状況 読み終わった [2023年5月23日]

もう手遅れだって、思い切り気付かされたの?

2023年5月14日

読書状況 読み終わった [2023年5月14日]

彼はもっと歴史として人を愛している人だった。
つみかさねてきた過去と未来を、見守るような人だ。

2023年4月24日

読書状況 読み終わった [2023年4月24日]

どうも君は神経質すぎるよ。
なぜもっと実際的になれないのだ。
いくら力んでみたって、
いずれ出来ることしか出来ないのに。

2023年4月18日

読書状況 読み終わった [2023年4月18日]

私は彼にすべでを捧げます
なとえ彼が永遠に私を愛することはなくても
寂しくなんかありません
たとえそれが細野晴臣や
あなた
もしくはこの先
私が好きになる誰かであっても
私は
そんな気持ちでずっといたいと思った

2023年4月7日

読書状況 読み終わった [2023年4月7日]

午前三時の目ざめ方は特権的なのである。
何なら文学的といってもいい。

2023年3月28日

読書状況 読み終わった [2023年3月28日]

もし、生きて行くことすべてを文章に置き換えることができたなら、私は一日に何度○を打つのだろう?

2023年3月28日

読書状況 読み終わった [2023年3月28日]

惨めでも哀れでもありません、
気高い死体でした、
と老人は証言しています

2023年3月22日

読書状況 読み終わった [2023年3月22日]

それにしても、どんなにか恐ろしい、孤独の日々だったことだろう。
ぼくは灰汁のような憐れみにひたされ、燻製のようになりながら、
やっとの思いで彼女を振り向いて見た。

2023年3月6日

読書状況 読み終わった [2023年3月6日]

すべてのバナナは果物だが、すべての果物がバナナだとは限らないのである

2023年2月11日

読書状況 読み終わった [2023年2月11日]
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