騙されたか騙されていないかで言えば騙されたし、面白いか面白くないかで言えばつまらくはないのだけれども、だからと言って何?というキーワードがやはり残ってしまう。

だってさ、犯人の意味がさっぱりわからない。第一の殺人は、ま、理解できなくもないけど、第二と第三の殺人がちょっと無理矢理すぎっていうか、こじつけすぎとしか言いようがない。

キャラクター小説としては楽しめるのだけれども、ミステリーとしてみた場合、ちょっとそんなイメージかなぁ。

2019年4月1日

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読書状況 読み終わった [2019年4月1日]

かなり前に読了したので内容は覚えているものの感想的なものは消失してしまったので評価とかこんな感じ。

役に立たないレビューだがそんな感じ。

2017年1月4日

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読書状況 読み終わった [2017年1月4日]

なんかあんまり気乗りしないんだ。

だからあまり読めていないというのもあるけど、執筆時期との時間差が発生していて、どうしても前時代的なものを感じずにいられない。

兎に角、ヒロインが嘘っぽく見えてとても好きになれない。

ヒロインの親の警視もチャラっぽい感じがして、まー、ライトなミステリと考えればそれはそれでもいいんだけど、この前にアガサを読んでいたこともあって頭の中にストーリーが入っていかないというか、どうでもいいんじゃない?とか思えてしまって、そこらへんは読者である自分の問題ではあるんだけど引き込まれることができず読み終えてしまった。

ただ、アリバイ崩しのアイディアとしては予想外の展開があったので、その点ではさすがだなと言えるので、一読する価値はあるかなとは考えられる。

2017年1月4日

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読書状況 読み終わった [2017年1月4日]

確かに犯人の驚きはあるけれど、それだけだよね。としか言いようがない。

だって、密室のトリックだって殺人の動機だって酷いもんじゃないか。なんじゃそりゃ。とか言いたくなって当然じゃないか。逆に、そう思わない方が不思議だろ。つか、最後のあれは必要あるのか。

大体、黒猫がデルタの必要あるのか。なんか、小難しいことを言ってみた。って雰囲気を出そうとしているようにしか感じられないのだ。

少なくとも、私にはそうとしか見えなかったのだ。

2015年7月11日

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読書状況 読み終わった [2015年7月11日]

ミステリーとしての完成度はともかく好きになれない作品。
評価の中に好みを入れてしまうのはどうか?というのもあるが、仕方がないものは仕方がない。
いつもの作者が書かれているような世界観を求めて手を出すと酷い目に遭う。前書きにもしっかりとそう書かれている。

2015年6月24日

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読書状況 読み終わった [2015年6月24日]

ストーリーとしては好きになれないし、展開が安直に思える部分もあるけど、ミステリーとして面白い。

どちらかと言えば、こいつめんどくさい。と思わせるようなキャラクターたちが泥臭くて共感は出来ないんだけど妙に引き込まれていく。

ラストも好きな展開ではないし、話も読めなくもないが、やっぱりにやりとしてしまう。不思議なことに。

2015年2月2日

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読書状況 読み終わった [2015年2月2日]

東野には期待が大きい分、期待外れだと評価が低くなってしまうのでちょっと申し訳ない気分でこれを書いている。

ミステリー風の短編集で……、いやミステリーの短編集ではあるが、秀逸なトリックがあるわけでも無く、感動させるようなストーリーでも無く、出張に行った時の社内の手持無沙汰に読むような話。と言った感じである。

2015年1月31日

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ミステリーのようなファンタジーのようなSFのような作品。

この非現実感を世界に結び付けていく感覚がとても好きだ。ただ、人によっては好きになれないのかもしれない。

記憶を失った男が見たネジが埋め込まれた死体。あり得ないはずのものが存在してしまった理由は何か。

まさか、そんなことあるはずがない。と考えてしまう読者の遥か上を超すアイディアに脱帽させられるのみである。

もう、文句をつけるとしたら、御手洗の超人ぶりにのみであろうか。そんな話であった。

2015年1月24日

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読書状況 読み終わった [2015年1月24日]

なんだろう。
この作者って女性なんだ。って感じ。

確かに、女性らしい描写がたくさん出てくるけど、どちらかと言えば男性作家って雰囲気を醸し出している。

逆にいうのならば、探偵役の桜井京介が上手いというかとても存在感のあるキャラクターになっている。
ただ、その分、ミステリーとしての驚かされる部分が弱いように感じられる。

以前にも書いたけど、やはり、死体入れ替え系の(本作は違うけど)血液型鑑定はのめりこむことが出来ない。星占術殺人事件のように時代背景が作りこまれていれば、感情移入ができるものの本作のような描かれ方では、携帯電話が無いの?と訊きたくなってしまう。

そのような意味では普遍性がある表現をされているだけに惜しいかもしれない。

また、最後、どうしてこの人が殺されかけたの?と言いたくなる場面があり、説明はあったのかもしれないが、目が滑って頭の中に入ってこず、その部分はマイナス要因になってしまった。

2015年1月4日

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いいわけではないが書いておこう。
私は鳥が嫌いだ。

というわけで、私は鳥が嫌いだから、鳥の話も嫌い。
それだけ?

うん。それだけ。

確かに鳥の話ってわけでもない。
野鳥を愛でる友の会の話ってわけでもない。
どちらかと言えば、バードウォッチャーに喧嘩を売っているような話もある。

それでもあまり好きになれないんだよね。

面白いことは面白いんだ。

豪邸に忍び込んで密漁をしようと言う話。
成功するのか、失敗するのか、捕まって牢屋にぶち込まれるのか、逃げおおせるのか。

ドキドキしながら読み進めていたのも事実。それでも、どうしても好きだ。とか良かったとか言えないんだよね。

ま、バイアスで★-1くらいになっているということで。

2015年1月4日

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読書状況 読み終わった [2015年1月4日]
カテゴリ 新書(一般)

ライトに読むことが出来る作品。一番の難点は主人公が女性と感じられないところか。男っぽい。わけではないのだが、どうしても女性らしさが伝わってこない。

短編集としては、小ざっぱりとまとまっているため読み応え感は弱い。

ただ、疲れている時に軽く読めるミステリーとしては良い。気が重くなるような内容もあるが、陰鬱にならずに最後まで辿り着くことが出来る。

もっとも、その分の満足感が弱い。

どうなれば一番満足できるのだろうか。などと読者個人の問題でもあるバランスのことを考えながら本を閉じた。

2014年11月23日

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どうとらえるかによって評価が変わってくる作品。一般として読んだのならばそれほどの悪印象は無い。

出てくるキャラクターも若い女性の固有の特徴を捉えていて、読んでいて飽きを来させない。

ただ、ミステリーとして読んだ場合は、やはり疑問を生じざるを得ない。

猫が傷つけられていた事件も、そんなこと本当にあるんかいな。としか言いようがない。そこに至った過程もあいまいだし。

そもそも、ナイフなんて砂に揉まれていればすぐに鈍るはず。

とか考えてはいけないんだ。と思いつつも考えてしまうとグルグル回ってしまう。

大体、犯人が……、ねえ。それは微妙だと思うじゃない。登場する人物たちが唐突過ぎるし、何のために存在していたのか不思議じゃない。

などと考えてしまうと、こんな評価になってしまう。最後まで読まさせられてしまったので、思春期の女性を描いた短編集と考えるならばもっと評価が変わってくるとは思うけど。

2014年11月23日

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短編集。

かなりフェアな描かれ方をしているため違和感がなくラストが落ちていくが、そのせいで驚きはない。

いや、密室のラストは読めなかった。

確かに読めなかったけど……。

それはどうなの? 硝煙反応は服とかにも付くんじゃないの? とか、そのトリックは実際問題、どうなのよ。とか、思いっきり突っ込みたくなること間違いなし。

とは言え、まあ、読みやすいし、軽い気持ちで読むのならば十分楽しめると思う。可もなく不可でもない安定感があるのだ。

2014年9月21日

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読書状況 読み終わった [2014年9月21日]

 ミステリーの完成度、というより、総合的な完成度が高いと思う。
 このような書き方をすると堅苦しいキチキチとした小説のイメージになってしまうが、そんなんじゃなくって、キャラクターや話の流れが読んでいて心地よいのだ。
 主人公である竜二、彼はヤンキーでどうしようもない不良のように見えるが、酔っ払いで借金持ちのそれこそ酷い人間のように一見するとみることができない師匠の噺に引き込まれていき変化していく。そこにあるのは等身大の若者であり、誰しも抱えている悩みである。
 そんな彼の成長していく姿に、読者は共感できるのである。

2014年8月25日

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読書状況 読み終わった [2014年8月25日]

話が暗い。

主人公の息子が誘拐されたと電話がある。だが、誘拐されたのは主人公の息子ではなく、息子の友人であった。その息子の友人とは、実は不倫相手の息子で、不倫相手が主人公の息子と主張している子供であった。

その子供が……。

二転三転する展開の転がし方は上手いけど、面白いかと言われるとどうなんだろうか?キレは前作より優れていることは間違いないが、結局のところ、どうしてこうなった?感が尽きることがない。

話の爽快感やカタルシスが得られず、犯人当てというゲーム性は高いものの、それが完全にフェアなものか?と言われると疑問を生じざるを得ない。

例えば、不倫相手の旦那が探偵の推測通りの行動を取って犯人だったとしてもフェアではないがストーリー的には成り立ってしまう。

だからと言ってアクロバティックな展開を見せつけられてもすっきりとしないわだかまりが残る。

ミステリーの出来と読了後の満足度は違う。そう言いたくなる一冊であった。

2014年8月17日

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読書状況 読み終わった [2014年8月17日]

約二十年前に強盗犯であった女性がその金でペンションを買い取り生計を立てていたが、当時の惨殺された医者一家の血縁者に命を狙われる話。
もうね、強盗犯が(自分で手をくだしたわけではないとは言え)のうのうと暮らしているってだけで気分がよくない。

結局、主人公は言い訳ばっかりだし、なんだか犯人もどうしてそんな復讐をしたいのかさっぱりだし、そもそも逐次型に順番に登場人物を疑っていく手順はまだるっこしい以外の何物でもない。

要するに面白くはない。もしくは、感情移入することができない。

人間観察力が高い作者であるから、もう少し違う設定だったら面白く感じられただろうと感じた。

2014年7月31日

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読書状況 読み終わった [2014年7月31日]

ああ、この展開ね。と見せかけてのこの展開。

トリック自体に奇抜さは無いが、真理的トリックの裏をかくような技術に舌を巻くしかない。

若干の物足りなさを感じなくも無いが、これを面白いと言わずしてどんな作品を面白いと言えばよいのか。

ということである。

2014年6月17日

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読書状況 読み終わった [2014年6月17日]

結局のところ、連続殺人鬼はどうして連続殺人事件を起こしたの?って疑問にさかのぼる。
ストーリーのためのストーリー落としどころがおかしくなっているとしか思えない。
面白いことを否定する気は無いが、その部分がどうしても引っかかるから星四にせざるを得ない。

2014年5月5日

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99%は1%足りない。完全にはほど遠い数値である。つまり、この誘拐劇は失敗なのだ。何故ならば……。

若干の年代を感じる。
生まれた時にインターネットが存在していた世代には理解が難しいテクノロジーも使われている。それなのに年代が感じられない。ちっとも古さがない。ストーリー上には、ご都合的な展開もある。技術的に上手くいくはずがない。

いろいろと文句を言う人間はいるだろう。だが、そんなことを感じさせないほどの疾走感がある。グイグイと引っ張られていつの間にかラストまでたどり着いている。

これは、技術的な上手さだと思う。設定は飛びぬけて新しいものではないはず。それなのに、3億円事件を結びつけながらの導入で、巧みに読者を導いている。

興味を引かせながら、話にのめりこませる手法は、簡単に真似できるようなものではない。

ひとつだけ読了後に気になるのは、ダイヤってそんなに簡単に売りさばけないだろうな。そんなことだけだった。

2014年4月18日

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読書状況 読み終わった [2014年4月18日]

面白いことは面白いけれど、やっぱり人は二人死なないと……みたいな感じはあるよね。
なるほど、こうきたか。ってノリはあるし、ああ、こんな展開になるのか。という意外性も確かにある。ただ、やっぱり綾辻作品としてはこじんまりしているように感じられる。ある程度、やりたいことはやってしまったんじゃないか。などという寂しさがある。
ただ、読んで時間の無駄とは思わないし、満足感もある。ミステリーとしては一点集中がされている分、キャラクターに重みがある。
驚かせる展開で読者を引っ張っていくより、文章力で引っ張られる感触がある。
上手い言葉には出来ないが、頭の中で複数のエキスが混ざり合って、新しい形を生み出そうとしている。そんな読了感がある作品だと感じられた。

2014年3月24日

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 面白いんだけど、やっぱり納得が出来ない。彼女は八木沢を殺す必要があったのか?八木沢は相原を殺したくなるほど憎む必要があるのか。などなど。トリック的には面白いし、ページ数の割にはスピーディーで読みやすいし、それほどの文句は無いのだけれども、やっぱり文句を言ってしまう。

 と言っても、それほど無理な展開は無いので、安心?して読み進めることが出来る。ファウスト作家ならばもう一捻り来るところをストレートで投げてくるので、逆に混乱してしまって面白い(たとえば、ファウスト作家ならば由衣が犯人にさせられたりするのでは?)みたいな。

 複雑に考えずに論理的に追い詰めて考えられる部分はとてもシンプルでわかりやすい。ただ、上にも書いたけれど、やはり動機が今一にしか思えない。他にも八木沢が小野を洞窟で殺す必要は無かった気がするとか。いくつかの部分で気にならざるをえない。

 ただ、そんな複雑なことを考えず、本格らしいパズル的に話を読み進めるならば、とても愉しく(いや、人が死ぬから興味をもってくらいにしておくべきか)読むことが出来る。

 江神さんとアリス、マリアはいつもの通りで、キャラクターを愉しむことができるのも相変わらず。

 などと考えながらも、個人的には長編より短編(スイス時計とか)の方が好きだな。と感じました。

2013年11月3日

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全ての人は繭の中に存在しているのかもしれない。この灰色の世界から身を守るために、閉じこもろうとしているのかもしれない。そして、繭の中から新しい生き物へと生まれ変わろうとしている。

ただ、新しい変化が心地よいものを生み出すとは限らない。自ら望んでいたものが美しいものとは限らないのだ。

ダリの髭を真似た有名人が殺害された。ただ、その死にはいくつもの疑問がある。一体、誰が犯人なのだろうか?と、いつもの火村先生と 有栖 が疑問を解き明かしていく。

どちらかと言えば、謎・トリック自体に奇抜さはない。確かに驚かされるような展開は無い。それでも、人間の奥底に潜む心理が描かれているような気がする。繭をモチーフに見事に人を現している。そんな風に感じられた。

2013年10月21日

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読書状況 読み終わった [2013年10月21日]

正統派の本格ミステリー。ちょっと時代を感じさせるが、王道的ミステリーで読みやすい。メフィスト作家の三回転半の捻くれ具合も面白いが、純粋なミステリーで愉しめる。
現代においても通用する面白さがあるのだが、今から出てくる新人は同じような作品を書くことができない。ということだけが残念か(だからこそ、メフィスト作家は捻った技を使用しているのだろうが)。

そもそもの舞台が非常に興味をそそらされる。孤島の秘宝で美女とくれば、燃えない男などいないはずだ。肉を目の前にぶら下げられたパブロフ博士の犬のように涎を垂らしながら読み進めたからと言って誰にはばかる必要があろうか。

トリックも犯人も予想できる範囲内で、奇抜さを求める方には合わない部分もあるだろうが、その分、王道的で予想範囲内で無理がない。それ、ありえないだろ。と言わんばかりのノリがないので、あくまでも小説としてのクオリティーが十分に確保されている。

ただ、やっぱり現代のミステリー読者としては、ちょっと物足りなく感じてしまうのも事実。仕方がないじゃないか。変なのいっぱい読んじゃってるんだから。

そう、作者に意味不明に自分勝手に反逆したい読了後なのである。

2013年10月13日

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面白かった。
読者が犯人である。
というトリックの出来具合はともかく、文章力がある。非常に読まされる文章だ。はっきり言えば、あり得ない。微妙じゃないか。と言うネタを筆力の力でねじ伏せている豪腕だ。

謎によって先が気になる。そのような手法ではなく、文章力によって引き寄せられていく。一冊分、そこそこの文章量があるはずなのに、一直線に読み進むことが出来る。比喩とか細かな知識の総量など知識欲を程よく満たしながら少しずつ進んでいく。

ただ、それらのことより、一番好きなのは、香坂の覚書だ。非常に魅力的で、藁半紙に水を垂らした時の様に、ゆっくりと、そして確実に心の中に染み込んでいく。この男の生き様を肯定することは難しいけれども、心の中で応援したくなっていく。

結末がよめていながらも、何とか助かって欲しい。そう願ってしまうのだ。

多分、このトリックに関して、賛否両論が出てくると思うが、個人的には予想も出来なかったトリックでとても面白い。荒唐無稽と言い切ることは簡単だが、こんな展開を何も無いところから想像できるものだろうか? 明らかに、読者が犯人である。というあり得ないトリックに挑戦した意欲作であることは間違いない。

一つだけ、文句を言うのであれば、構成上、もう一工夫が出来たのではないか。と言うことである。香坂が死ぬタイミング、それは本当にラストである必要はあったのか。時勢を弄ることで冒頭に持ってこれたのではないか。そんなことを考えさせられるが、そんなことどうでもいいと思いたくなるほど素晴らしいできであったように感じられた。

2013年10月12日

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