こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!
今回は、2月に開催した「#好き3選」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。
1位 辻村深月『かがみの孤城』
あらすじ
あなたを、助けたい。学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の七人が集められていた——なぜこの七人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
おすすめのポイント!
ファンタジーでありながら、現実社会で生きづらさを抱える子供たちの悩みをじりじりと炙り出し、辻村さんならではのリアルな心理描写に胸が苦しくなります。学校という場所になじめず苦しんでいる子供や、子供の頃の苦い記憶を持つ大人はもちろん、時折ファンタジーの世界に逃避したいと考えてしまう方に読んでほしい作品です。オオカミ様の正体とは?そして七人の子供たちの運命は?散りばめられる伏線を追いながら、ぜひその目で確認してみてください。
ファンタジーな設定でありながら、登場人物の心情や心の動きがとてもリアルで、絆が深まっていく過程や強さを持てていく様に惹き込まれていった。徐々に謎が解けていく構成で、最後の展開ですべてがつながり、驚きと感動が湧き寄せてきて最高だった。出会ってよかったと思える最高の作品。
2位 古内一絵『マカン・マラン – 二十三時の夜食カフェ』
あらすじ
夜にだけ開店する隠れ家的カフェ「マカン・マラン」。オーナーは、濃いめの化粧とピンクのウィッグを身に着けた大柄なドラァグクイーンのシャール。マカン・マランには、今日も様々な悩みをもつ人が集まってきて……!?
おすすめのポイント!
様々な悩みを抱える等身大の登場人物たちにかけるシャールの言葉は、豊かで重みがあり思いやりに溢れています。作中に登場するシャールのお料理には、お腹が空くこと間違いなしです。物語後半では、そんなシャールの意外な過去と料理に込めた想いが明らかになり、静かな感動を覚えることでしょう。人生にちょっとした変化をもたらしたい方に届けたい作品です。2018年にラジオドラマ化されており、西田敏行さんと竹下景子さんがキャストを務めました。
読んでいて心が温まる小説でした。深夜カフェの料理を通じて、登場人物たちが前向きになっていくのが素敵でした。あと料理の描写が繊細で食欲が湧いてきます、、シリーズもので読みたい本です。
3位 坂木司『和菓子のアン』(光文社文庫)
あらすじ
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めてゆく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。
おすすめのポイント!
大人気「和菓子のアンシリーズ」の第1作目です。表紙のお饅頭が何とも食欲をそそる本作は、季節を感じる美味しそうな和菓子の描写に止まらず、その歴史や成り立ちについても丁寧に描かれ、読み進めるほど和菓子が食べたくなってきます。主人公のお仕事物語かと思いきや、店内で巻き起こる小さな謎に、個性的すぎる登場人物たちが挑んでゆきます。謎解きと和菓子の世界を一度に二度楽しめる、大満足の一冊です。2014年にコミカライズもされました。
和菓子にまつわるお仕事ミステリーの連作短編集。主人公のあんちゃんが、ついつい応援したくなるキャラクターで、人間味溢れるいい味を出しています。お仕事小説ならではの和菓子やデパ地下の知らないことも一緒に学べて、読んでいると暖かな気持ちになれる一冊です。
4位 原田マハ『本日は、お日柄もよく』(徳間文庫)
あらすじ
OL・二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢されて!?
おすすめのポイント!
普通のOLが人との出会いを通じて成長し、感動的なスピーチを編み上げるまでの様子に、思わず魅せられます。普通の人が前向きになって成長し、大きな仕事を成し遂げるまでを描く「お仕事小説」というジャンルが定着しつつありますが、この作品は「言葉が持つ力」を中心に論じた物語となっており、本好きの方々にとっても親しみやすい題材ではないでしょうか。女性ユーザーからの支持が強い小説で、感動作として高い評価をされています。
久しぶりに小説を読んだ。スピーチというトピックを通じて、政治とか社会に関して触れていて、そしてストーリーも一つ一つがボリューミーで読んでいて飽きない。スピーチの力、全力で働くことのエネルギーさを感じた。最後のカップルには応援したくなるほど感情移入してしまった。非常にお似合い。私もくみさんみたいにかっこよく生きたい。スピーチに興味が出た。大満足な小説だった。
ブクログスタッフのおすすめ本!
綾辻行人『十角館の殺人』(講談社文庫)
あらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
おすすめのポイント!
本作から始まる「館シリーズ」は、以降刊行された帯には「新本格」というキャッチフレーズがつけられ、各ミステリ業界にも影響を与えました。殺人事件の起きた島が舞台になっており、初めから物々しい空気が漂っています。なぜこれらの事件は起きてしまったのか、犯人は誰なのか。どの登場人物も等しく疑わしいのですが、たった一文が全てを覆し、急展開を迎えます。犯人捜しが得意なミステリファンーはもちろん、ミステリー初心者にまず読んでほしい一作です。
私をミステリーの沼に落とした作品。色んな方が『記憶を無くしてもう一度読みたい』って言うのが凄くよく分かった。キャラクターもそれぞれ魅力的。新装版をぜひ読んでほしい。
ブクログユーザーさんが選ぶ「好き」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!