ブクログユーザーさんの「共感する作品」ベスト本!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!

今回は、6月に開催した「#共感」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1位 村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)
村田沙耶香『コンビニ人間 (文春文庫)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

古倉恵子は36歳にして未婚の彼氏なし、コンビニバイト歴は18年目だ。毎日コンビニ食を食べ、夢の中でもレジ打ちをしてしまうほど、日々の生活はコンビニに根差している。「店員」でさえいれば、世界の歯車になれる——。そんなある日、婚活目的の男・白羽がやってくる。白羽にコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられた恵子だったが……。

おすすめのポイント!

村田沙耶香さんの代表作として知られる本作は、長年コンビニバイトをしていた村田さんの経験が盛り込まれ、実にリアリティに富んでいます。周囲に馴染めない主人公の恵子が、コンビニ店員としての自身のアイデンティティを見つめ直す姿を描いた本作ですが、時に苦悩し、時に周囲との軋轢を生んでしまう主人公には、思わず「普通とは何か?」と考えさせられます。恵子の物語を通して自分の生き方を振り返らずにいられない、心に響く一作です。

村田沙耶香さんの作品一覧

主人公の一般社会とのズレた感性・考え方持ったエピソードを見て、生きにくさを感じる一方で主人公の方がずっと素直で納得出来るなぁと思うことが多々ありました。ネットでの講評を見ると全く共感が出来ない系のマイナス意見も多々ありましたが、主人公と自分との重なり具合が適度にあることで自分の中の無意識な常識縛りなどにも気付けて個人的にはおもしろかったです。

れみさんのレビュー

2位 太宰治『人間失格』(新潮文庫)

人間失格 (新潮文庫)
太宰治『人間失格 (新潮文庫)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

「恥の多い生涯を送って来ました」。男の手記は、そんな身も蓋もない告白で始まる。自分を偽り、人を騙し、過ちを犯した男は、自身に「失格」の烙印を押した。だがある女性は、男を正反対な人間だと語り——。

おすすめのポイント!

文豪・太宰治の代表作にして、日本文学の不朽の名作として読み継がれています。容姿や家柄が良いにもかかわらず、子供の頃から周囲に馴染めず、「道化」としてやり過ごしていた主人公・葉蔵は、太宰自身の分身であると言われています。自分を偽るように明るく振る舞いやり過ごす、そんな息苦しい同調圧力に苛まれている人々は、大いに共感できるのではないでしょうか。生きづらさの根源を見つけ出し、自分の内面と向き合う術を教えてくれることでしょう。

太宰治さんの作品一覧

太宰のほぼ自伝って知って読むと「太宰、繊細すぎる。圧倒的に社会不適合者じゃん…。」と思った。今の時代に生きてたら、共感してくれる人が居て、人との繋がりが保ちやすいから、少しは生きやすいって感じれたんだろうな」と思った。文章自体はくどいけど、何故か読みやすい。すごい。

梵さんのレビュー

3位 小野寺史宜『ひと』(祥伝社文庫)

ひと (祥伝社文庫)
小野寺史宜『ひと (祥伝社文庫)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

調理師だった父の事故死、女手一つで育ててくれた母も急死し、20歳の柏木聖輔は一人になった。奨学金を返せる目処が立てず大学を辞め、趣味のバンドも辞めた聖輔だが、仕事探しに行動できずにいた。そんなある日、ふと立ち寄った惣菜店で、見知らぬおばあさんにコロッケを譲った聖輔は、思いがけない縁に恵まれて……?

おすすめのポイント!

読み終わった時、優しい気持ちになれる物語です。たった一人で社会に放り出されてしまった主人公が、周囲の人に支えられながら、少しずつ自分の人生を取り戻してゆく姿が丁寧に描かれています。大きな事件やドラマチックな展開はありませんが、だからこそリアリティがあり、心に響く物語です。物語序盤では、どこか頼りなく自己主張の乏しい若者だった聖輔が、人との触れ合いを通してどう成長していったのか。ぜひ、ご自身の目で確かめてください。

小野寺史宜さんの作品一覧

ずっと気になっていた本をやっと読めました。聖輔は三年前に父を事故で亡くし,そして母も病気で亡くしてしまった。大学2年生で天涯孤独になってしまうなんて考えもしなかった。大学生活はムリだと判断し,退学してしまう。そんな中、商店街にある総菜屋さんのラス1コロッケをおばあさんに譲ったところ,店主にメンチカツをサービスしてもらう。バイト募集の紙をみた聖輔は,働きたいと申し出る。感じが悪い人も出てくるけれど,彼の周りにいる優しい人達に救われる前を向いて進める1冊。

みどりさんのレビュー

4位 高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』

おいしいごはんが食べられますように
高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」。職場でそこそこうまく立ち回る二谷と、皆んなから守られる料理上手な芦川、がんばり屋の押尾。ままならない人間関係を仕事+食べもの+恋愛で描いた、心ざわつく傑作小説。

おすすめのポイント!

第167回「芥川賞」受賞作です。本作では職場という小さなコミュニティを舞台に、仕事や恋愛、ままならない人間関係がリアルに描かれます。早退休暇の償いに手作りお菓子を振る舞う芦川、手作りお菓子に抵抗がある二谷、芦川の尻拭いをしつつも社内で評価されない押尾。食を大事にしている者とそうでない者との価値観の差や、本音と建前が見え隠れする人間のドロドロとした部分に、題名からは想像つかないゾクゾク感を味わえます。

高瀬隼子さんの作品一覧

「いるいる、こういう人!」と、読み進めながら思わず大きく頷いてしまうほど、人物描写が秀逸。食を通して、人は千差万別で、そして不平等ということをまざまざ見せつけられた。読み終えた後は悔しさしか残らなかったが、随所に出てくるくすっと笑える描写や表現がクセになる。

kotori_riさんのレビュー

ブクログスタッフのおすすめ本!

森絵都『カラフル』(文春文庫)

カラフル (文春文庫)
森絵都『カラフル (文春文庫)
ブクログでレビューを見る

本棚に追加する!

あらすじ

生前の罪により輪廻のサイクルから外された主人公の魂は、自殺を図った少年の体にホームステイし、自分の罪を思い出すことになった。見知らぬ少年の体を通じて、次第に主人公は人の欠点や美点を目撃してゆき——。

おすすめのポイント!

森絵都さん作品といったら、まず初めに手に取ってほしい一冊です。作中に登場する数々の名台詞は読み手に深い印象を与え、「ほんとは長生きしたいけど、一日おきに死にたくなるの」という登場人物のセリフは、SNS上でも話題となりました。生きることの大切さを教えてくれる本作は、読書感想文にもおすすめです。アニメ映画化、なにわ男子・長尾謙杜さん主演での映画化、鈴木福さん主演でのミュージカル化など、メディア化も絶えない名作です。

森絵都さんの作品一覧

読み進めていくと登場人物の良い部分、悪い部分が見えてきて、人間らしく魅力的になってくる。最後にカラフル、というタイトルが響いてくる。この世は楽しいことや悲しいこと色々な出来事が混ざっている。人間も良い部分や悪い部分色々な側面がある。悪い部分だけ見て悲観的にならずに色々な角度で見ること、知ることが大事である。主人公のように、自分を借り物の体だと思って客観的に生きると、あまり深く考えすぎずに行動できるのかもと思った。漫画のように読みやすいけど深い、好きな作品。

shirotanさんのレビュー


ブクログユーザーさんが選ぶ「共感する作品」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!