毎日の通勤が楽しくなる!おすすめ短編小説10選【後編】

こんにちは、ブクログ通信です。

みなさん、毎日の通勤お疲れ様です。通勤電車って、何だか気分が重たくなることありますよね。
スマホを見て過ごすのも良いですが、たまにはちょっと知的に読書で気晴らししてみてはいかがでしょうか?

そこで今回は、毎日の通勤が楽しくなる、おすすめの短編小説ショートショートを10選ご紹介いたします!前編、後編と5選ずつまとめましたので、ぜひこの機会に手に取ってみてくださいね。

6.一穂ミチ『スモールワールズ』

スモールワールズ
一穂ミチ『スモールワールズ
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あらすじ

夫婦円満を装う主婦、家庭に恵まれない少年、出戻った姉と再び暮らす高校生の弟、初孫に喜ぶ祖母と娘家族、人知れず手紙を交わし合う男女、向き合えずにいた父と子、大切なことを言えずに別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描いた物語。

おすすめのポイント!

第165回直木賞にノミネートされた一穂ミチさんの短編小説です。これまで主にBL作品を執筆されていた一穂さんの、初の一般文芸作品として注目されました。「歪な家族」をテーマに書かれたという本作は、各章でガラリと異なる6つのストーリーで構成され、別々の話のようでいて実はちょっとした関連性が垣間見える仕掛けがなされています。「喜怒哀楽」というキーワードに違わない、時に優しく、時に奇妙に、あらゆる表情で綴られる多彩な文体が心揺さぶります。胸が騒つくような一穂さんの巧みな心理描写にも注目です。

一穂ミチさんの作品一覧

どの短編も個性的でした。今の自分の暮らしからは遠い内容でも、不思議と受け入れられる温かさを感じました。”人を許す”ということについて考える一冊でした。「理由とか原因を他人に紐づけてると人生がどんどん不自由になる」という言葉にハッとさせられました。

saruさんのレビュー

7.乙一『箱庭図書館』(集英社文庫)

箱庭図書館 (集英社文庫)
乙一『箱庭図書館 (集英社文庫)
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あらすじ

少年が小説家になった理由、コンビニ強盗と奇妙な共同作業、二人きりの文芸部員、謎の鍵にあう鍵穴探し、子供たちだけの夜の王国、雪に残った靴跡から始まる不思議な出会い……。「物語を紡ぐ町」を舞台にした6つの物語。

おすすめのポイント!

小説家でもあり、映画監督でもある乙一さんの連作短編集です。本作はとある文芸誌の企画として、読者が書いた没原稿を乙一さんがリメイクして出来た作品だそうです。原案がそれぞれで違うことからホラーやファンタジーなど、毛色の異なるバリエーション豊かな作品集となっています。原案の面白さと、乙一さんならではの世界観が見事にマッチしています。独特な世界観が持ち味の乙一さん作品が好きなファンの方は、乙一さんの新たな一面が覗けるかもしれません。

乙一さんの作品一覧

私は最後のホワイト・ステップがお気に入りでした。現実にあったら素敵な出来事。自分の人生は間違いの選択で出来上がってるかもしれないと悩んだ時、そんな人生でも、悪いことばかりじゃない。何かのきっかけで何度でも変わることができるんだ、と思える話だと思います。切ないけれど、だからこそ生まれる物語もあるのだなあと。

aries さんのレビュー

8.木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン』(河出文庫)

昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
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あらすじ

夫の一樹と死別して7年。「ギフ」と呼ぶ義父・連太郎と二人暮らしのテツコは、同僚の岩井と恋人的な関係にあるものの、一樹のことを忘れらず岩井のプロポーズを受け入れられずにいた。そんな中、口の軽い同僚・ギダリエに、岩井のプロポーズのことや一樹の骨を持ち歩いていることを言いふらされて……。

おすすめのポイント!

『すいか』、『野ブタ。をプロデュース』など、人気ドラマの脚本を手がけた脚本家・木皿泉さんの連作短編集です。第11回「本屋大賞」で2位にランクインし、ドラマ化、コミック化もされた人気作です。夫を亡くした主人公という一見重苦しいテーマに思えますが、主人公と義父のほのぼのとした空気感に癒されます。一樹の死に対して主人公と義父は勿論のこと、主人公の近所に住む一樹の幼馴染や、一樹のいとこといった脇キャラクターたちの心情も描かれ、切なくも考えさせられる内容となっています。タイトルの意味にも注目です。

木皿泉さんの作品一覧

夫と死別した後も一緒に暮らしを続ける嫁と義父のあったか面白い物語。(まだ終わるな、終わらないでくれ。)と願いながら読み進めた。笑えたし泣けたし兎角感動した。また明日から頑張ろう。そんな1日を繋げて行こう。

akodamさんのレビュー

9.鈴木るりか『14歳、明日の時間割』

14歳、明日の時間割
鈴木るりか『14歳、明日の時間割
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あらすじ

中学校を舞台に、現代人の苦悩や友情、想いなど、時間割に見立てた7つのストーリーで物語る!現役中学生が語る「生きる」ことの意味とは?笑って泣ける青春群像小説。

おすすめのポイント!

『さよなら、田中さん』で現役中学生ながらデビューを果たした、鈴木るりかさんの短編小説です。本作について鈴木さんは、子供の頃は「学校の授業が将来何の役に立つのか?」と思いながらも、いざ大人になると「あの時もっと勉強すれば良かった……」という人々の後悔から、「教科」そのものの面白さをテーマに執筆したと語っています。中学生のかくも普遍的な日常を描きながら、現代のリアルな孤独や悩みにも目を向けた青春群像劇となっています。学生さんのみならず、昔を懐かしむ大人の方にもおすすめの作品です。

鈴木るりかさんの作品一覧

「さよなら田中さん」に続く二作目。相変わらず素直な視点で等身大の世界を描いてくれています。もうとっくに中学生じゃないのに、私の時代とは違うのに、不思議と共感できる世界観に脱帽です。

erierierinさんのレビュー

10.森絵都『ショート・トリップ』(集英社文庫)

ショート・トリップ (集英社文庫)
森絵都『ショート・トリップ (集英社文庫)
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あらすじ

珍妙なステップで、刑罰としての旅を続ける「ならず者18号」。「眉毛犬ログ」の壮大な冒険、孤高の旅人にして生きた伝説「試食の人」などなど、48の旅をめぐるユーモア溢れる小さな物語。

おすすめのポイント!

『DIVE!!』、『カラフル』などでおなじみ、森絵都さんによるショートショート集です。本作は『毎日中学生新聞』に連載されたとあって、読者層は学生さんが多いようにも思えますが、時にシュールで、時に笑える世界観は大人の方が読んでも楽しめることでしょう。単行本未収録作品を加えた48編という大ボリュームながら1話につき3ページほどの長さなので、短い通勤時間でもあっという間に読み終えられておすすめです。随所の可愛らしい挿絵が、森さんの不思議でメルヘンな世界観をより引き立たせてくれます。

森絵都さんの作品一覧

森絵都さん、天才だったんですね!この数々のアイデアはすごい。基本、笑いが中心ですね。キュートな笑いが中心です。

project万巻さんのレビュー

おわりに

今回は、毎日の通勤が楽しくなるおすすめ短編小説をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね!
前編はこちら!