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ブクログで話題になっているレビューです。長文のレビュー、熱い感想を読んで好みの本に出会いましょう!

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猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

水木しげる マンガ 1996年10月1日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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本書の主人公、南方熊楠が粘菌の研究でイグノーベル賞を受賞していたらしい事実を知ったのは2年前。それも英語のリーディングの勉強をしてる最中でした。そこで南方熊楠という人物も知りました。
彼について関心がなくならず、Wikipediaなんかを眺めてるとどこか共感を抱いていました。
本書は、あまり業績については触れず(くわしくは巻末の参考文献にあたってネという感じ)、人間熊楠の生涯を描いています。
奇抜な、あまりに飛び抜けた幼少期も、テスト対策に励む同級生をバカにしてとうとう退学した東大時代も、単身渡米しアメリカ大学に入学するも周りの学生の意欲のなさにげんなりして退学したことも書かれていません。
ストーリーは帰国後からのスタートとなります。
ところで、水木しげる先生はその前にも神秘家列伝シリーズで熊楠を扱っていたのでさぞかしお気に入りだったのかもしれません。
なにせ熊楠は超人的な脳力を持つのに、助平で、「少年の心」を持っていて、癇癪持ちでキレるとゲロを吐きつけて、裏表もなく、定職にはつかず自分の楽しみのために没頭する、明らかに人間社会から逸脱した人物でしたから、ひときわ目を引いたのでしょう。
熊楠の生涯を追っていくと、逸脱したようでいて人間くささを感じさせます(ちょっとヘンですよね)。
1匹の猫が熊楠の人生を見つめる仕掛けのおかげで、奇怪な人物に見える熊楠が、読者に近づいてくれたように思えました。

3
詩の絵本 教科書にでてくる詩人たち (4) 朝の歌 (詩の絵本―教科書にでてくる詩人たち)

詩の絵本 教科書にでてくる詩人たち (4) 朝の歌 (詩の絵本―教科書にでてくる詩人たち)

小泉周二 2017年2月25日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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おはよう ひかり
おはよう ことり
おはよう みどり
おはよう みんな
きょう また ぼくは 生まれた

新しい朝が始まる今日という日に、感謝をしたくなる読んで前向きになれる絵本。

4
一発屋芸人列伝

一発屋芸人列伝

山田ルイ53世 2018年5月31日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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第24回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞に輝いた連載が書籍化。

多くの人々に愛され、真似をされた一発屋達の芸。
一発屋達はお茶の間の人気者となり、その内の何組かは、"社会現象"と評されるほどの大ブレイクを果たし、時代の寵児と持て囃された。

そして……消えた。

お伽噺であれば、
「めでたしめでたし」
とその絶頂期に幕を引くことも出来るだろうが、現実はそうはいかない。
人生は続く。
本書は、自らも一発屋を自認する髭男爵・山田ルイ53世が彼らの生き様を描く試みである。

著者の立ち位置が絶妙だなと思いました。
楽屋ネタにしてしまわずに「そういうところがアカンのちゃう?」「甘い」と、どちらかといえば大衆の側に立って、一発屋達の体たらくにツッコミを入れていく。
でもそのツッコミの鋭さは、彼自身がオモロさを追求し、"次"を虎視眈々と狙っているからこその鋭さだと感じました。

いま、この時代この瞬間を切り取り、愛ある批評をし、もっとオモロい世界をめざし、人々に視点の転換を促す本書には、たしかにジャーナリズムが宿っている!ルネッサンス!

あと、そうだな、ハローケイスケさん、いいなあ。エンタの神様で見たの覚えてます。0.5発だなあ。好きだなあではないんだけど、気になる人だなあ……

5
トルストイの民話 (福音館古典童話シリーズ)

トルストイの民話 (福音館古典童話シリーズ)

N.トルストイ 1989年6月30日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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1885年頃に書かれた、全17編の短編集。
その名を聞けば「戦争と平和」や「アンナ・カレーニナ」のような長編を思い浮かべる人が多いだろうが、「真理と信じたものが絞り込まれ、一切の無駄を省いた文体」であるこれらの民話こそが良い作品であるという、トルストイ自身の言葉があるらしい。
結末が予想出来ていても読むのを止められず、しかも何度も読み返してはため息とともに目を閉じる。その深い精神性に心が強く惹かれ、民話の域をはるかにこえた崇高なものさえ感じる。
上記の長編が苦行だったひと(私だけかな?笑)にも、ぜひともおすすめ。

有名な「人はなにで生きるか」から始まる。
皆さんの答えはどんなものだろう?健康で?お金で?幸福で?
では、幸福とは何だろう?
答えはとても簡単。「人間は愛によってのみ生きる」・・・・さて、ここで言う愛とは?
主人公セミョーンと共に、読みながら答えを求める心の旅に出る。
以下、どのお話も聖書のたとえ話のように面白く興味深い。
いや、むしろ聖書より面白いかもしれない・・

殺戮こそないものの、カインとアベルのような「ふたりの兄弟と金貨」。
パリサイ人の諍いのような「火をほおっておくと消せなくなる」。
これはまるで、他人の足を引っ張ることに汲々としている現代の日本のよう。
だからと言って、主人公たちを愚かだと笑える人はおそらく皆無だろう。
「にわとりの卵ほどの麦粒」では「ひと粒の麦もし死なずば」を思い出し、「イワンのばか」は、まるで良きサマリア人のようだと気づかされる。
そして、悩める人々は誰もが皆、迷える子羊のように愛おしい存在にみえる。
民衆を啓蒙する目的で出された民話集なので、宗教の話などごめんだと敬遠する向きもあるかもしれない。でも残念ながら、誰もが避けては通れない人生の問題がここには明示されている。
こういった民話を傍らに置き、繰り返し読んでは味わい、生きるよすがとするのは大変幸せな人生ではないかと、しみじみそう思うのだが、皆さんはいかがだろう。

どのお話にも精密なエッチングの挿絵が加わり、味わいを増している。
中学生くらいから。
子どもたちの、生きる道を求める心は大人以上に強いものなので、この夏ぜひとも。

1
ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

東野圭吾 2012年3月28日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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内側からは決して開かない扉の様だ。
四方は壁に囲まれていて、窓ひとつない。
行き場も、逃げ場も無い、空間に閉じ込められて、
ただ、
空回りするドアノブを必死でまわす。

誰か、誰か、この扉を開けてください。
外側から誰か、この扉を開けて、私をここから出してください…。

ナミヤ雑貨店に救いを求めて訪れる人達の手紙からは、
皆一様に、暗い部屋に監禁され、身動きひとつとれなくなっているような、そんな痛みが伝わってきた。

そして、こんな雑貨屋が、
この地のどこかに本当にあればいいな、と心から思った。

見知らぬ他人の迷いやナヤミに、
本気で耳を傾けてくれる人がいる雑貨店。

残念ながら、その恩人とは会えないし、
ナヤミの実体も見えない。
助言を信じてみたところで、その後の未来もわからないし、
私達にわかることなんて、なにひとつないのかも知れない。

でも、ナヤミを投じると、
その返事が必ず牛乳箱には帰ってくる。

「みな、繋がっている」
と、いうピンとはこない言葉を巷では良く、耳にするが、
もしかしたら、こういう事なのかな・・・

と、ナミヤ雑貨店の物語に触れ、ようやく
その言葉にほんのすこし納得がいった私であった。

6
ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

東野圭吾 2012年3月28日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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また東野さんのマジックにやられてしまった。
いやいや、これは浪矢さんと皆月さんのマジックだったんだ。

人は人生の選択をどう選べばいいのか悩む生き物だと思う。
どっちが正解だなんて誰もわからないのに、誰かに聞いてみたくなる。

浪矢さんの返事もありがたいけど、ここにあるほぼほぼは悪者になりきれない若者達が書いてるんだよね。
それこそ奇蹟だわ。

9
ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

東野圭吾 2012年3月28日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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とてもいい感じでした!
どなたにも、オススメできます~。
この作者にしては珍しい?画期的ほのぼの系(変な表現ですが)
といっても‥

どんな悩みの相談にも乗るナミヤ雑貨店。
その仕組みとは‥?
ナミヤ雑貨店の主人・浪矢老人が、店名との洒落で始めた事だった。
子供からの無邪気で調子のいい相談が多かったのだが。

ある夜、金を盗んで逃走中の若者3人組が、廃屋に逃げ込む。
雑貨店だったらしい建物の中には、40年も前の雑誌などがあった。
郵便受けに「初めて相談します」という手紙が投げ込まれ、面白半分に返事を書いて牛乳箱に入れる。
すぐに返事があり、それもとても真摯に受け止められていた‥
不思議に思いつつも、また返事を書きたくなる彼ら。

オリンピック出場を目指している選手だが、恋人が重い病気のため、看病に専念するかどうか悩んでいるという女性。
歌手を目指したが目が出ず、家業を継ぐかどうか、迷っている青年。
妻子持ちの男性の子を妊娠してしまったという女性。
親が借金を抱えて夜逃げしようとしている男の子。
養い親を助けるため、水商売を続けようかと考える若い娘。

ナミヤ雑貨店の主の息子は、老いた父親にある頼み事をされる。
三十三回忌のときに、一度だけ、悩み相談を復活してほしいというのだ。
そして、昭和から平成へと、年月は進み、日本の様子も変わっていく‥

不思議な連鎖が起きるエピソードのたたみかけ方が上手く、現実味のある相談と、ちょっとしたユーモアで、飽きさせません。
すべてがハッピーエンドというわけではなく、切なさや思いがけない展開もありますが。
読後感は良いですよ。
人の関わり方はけっこうややこしいので、再読にも耐える内容。
いつかまた読むのが楽しみです。

17
アキラとあきら (徳間文庫)

アキラとあきら (徳間文庫)

池井戸潤 2017年5月17日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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説明
内容紹介
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。

ベストセラー作家・池井戸潤の幻の青春巨篇がいきなり文庫で登場! !

文庫本ですが700Pは分厚いです。
最後まで読めるか不安でしたが 内容が面白いので読了出来ました。
作者は元銀行員、『半沢直樹』の時も思いましたが 銀行員の姿がとてもよくわかりました。
カネは人に貸せ...信頼関係がないととても貸せませんよね。

全く生い立ちの違う瑛と彬が 将来どのように関わってゆくのか楽しみに読み始めサクサクと進みました。
10月から始まるドラマ『下町ロケット』の続編も楽しみです。

1
仮面病棟 (実業之日本社文庫)

仮面病棟 (実業之日本社文庫)

知念実希人 2014年12月5日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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初めて読む作家さん。
何故だか、初めの方でストーリー読めてしまった。
何処かにどんでん返しがあるかと思ったのだが、全くなくて、ビックリもスリリングもミステリーもないまま読了。残念。

1
月のぶどう

月のぶどう

寺地はるな 2017年1月11日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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寺地さんの世界観が好きなんだなと思う。

双子の光実と歩、それぞれの視点で交互に物語が紡がれる。
地道な作業に明け暮れる毎日。何かを見て、感じて、育てていく。国産のワインが飲みたくなった。いいなぁ。何かを産み出せる人は。

歩とおじいさんの光実への言葉がとても素敵だ。
そして、お父さんも。いいな、こんな人たちになりたいな。

1
月のぶどう

月のぶどう

寺地はるな 2017年1月11日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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隙のないと思われる人でも心に痛みを抱えているし、悪そうなやつにも理由がある。完璧な人などいない。寺地さんの描く人々は、ヒーローもヒロインもいない。

主人公の歩にしてから、できの悪い弟というレッテルを背負っている。亡くなった姉の光実は母親の理想を追い続けるしっかり者。揺るぎない、ワイナリーを受け継ぐ者。かと思いきや。
物語は二人の一人称で交互に綴られていく。なぜか歩に冷たいワイン職人の日野さん。あからさまに歩を嫌う年下の森園くん。いたずら好きの祖父。母の妹である和葉おばさん。歩の親友広田くん。ちょっと気になる女の子が二人、出てくるが、歩の関わり方が面白いと思った。

たくさんの人たちに囲まれながら、ワインを作るという仕事を通じて、歩も、光実も少しずつ変化していく。
そのあたりの心理描写が、寺地さんの持ち味だと思う。
人生、こういうことかもしれない。寺地さんの物語は、そんな、ちょっと楽観的だけれど、生きていくのに辛くなった時必要な楽観さではないかと思う。

1
月のぶどう

月のぶどう

寺地はるな 2017年1月11日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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初読みの作家さん。

母亡き後、ワイナリーを引き継ぐ双子の姉弟。
いっけん、よくできて、ハキハキとしていて すぐに会得するタイプと
ぐずぐずしていて要領が悪くてなかなか会得できないタイプ。
二つのタイプを絵に描いたような双子。

意外と、前者は頭打ちしてしまうのが早くて、
後者のタイプは伸びたときの伸び方が大きかったりする。

どっちがいいということでなくて、
どっちにもいいところがあるってこと。

二人で美味しいワインを作ってほしいなぁ。

希望のある優しい読後感でした。感謝。

1
月のぶどう

月のぶどう

寺地はるな 2017年1月11日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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タイトルに惹かれて手にとった。

月にぶどうができるわけがないから、どういうことでこのタイトルなのか?

双子がゆえに思いっきり比べられて年数を経たできが悪いと言われてきた弟。

その弟を守っている気がしてきた姉。

それだけじゃない。

お互いそれだけじゃない。

器用に生きられない。当たり前だと思う。

話の進みかたもいいと思う。

本屋大賞のノミネート作品になりそうな本。ていうか、本屋大賞が好きそうな本。

2
夜行

夜行

森見登美彦 2016年10月25日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

感想・レビュー

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改めて語るまでもないのだけど、森見登美彦には概ね3つの作品のタイプがありますな。
1.或る阿呆男子の妄想
2.美しい怪談
3.両者の混合タイプ

出世作が1.のタイプなので2.の怪談は世間的には1.の影に隠れているのではないかと勝手に思い込んでますが、より好みなのは2.だったりします。
2.の傑作「きつねのはなし」「宵山万華鏡」が湛える『夜』のイメージをふんだんに盛り付けたのがこの「夜行」です。何しろタイトルから夜ですから。

「夜行」というタイトルの一連の銅版画を旅先案内人に語られていく夜話、というコンセプトがまず美しい。
怪談の話者の意識が混濁していく様も美しく、且つ禍々しい。

個人的な白眉は3章「津軽」で、話者の夫が言い淀んでいたことを告白するシーン。定型的な怪談であるからこそ、マジで恐かった。

惜しむらくは表紙ですかね。

1
くちなし

くちなし

彩瀬まる 2017年10月26日 Amazon.co.jpで見る Amazon.co.jp

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彩瀬まるさんの作品はいつも、視覚・味覚・嗅覚・触覚を刺激する。本作は特にそうで、妖しくも美しい世界観が存分に堪能できた。
表題作の、好きな相手の「腕」をもらい、ペットのように慈しみかわいがるという展開にぎょっとしたけど、別な生き物のような腕がだんだんと愛おしく思えてくる。このように、今回は動物などの生態に着想を得た、ちょっとグロテスクだけど幻想的な短編集。好みは分かれそうだが…かえって人の心の喜怒哀楽を際立たせているように思えた。設定が非現実的だからこそ、男女の心理描写をリアルに感じてしまう。不気味さ、妙ななまめかしさに初めは戸惑ったものの、いつの間にか彩瀬ワールドの虜になっている。
高校生直木賞受賞、おめでとうございます。高校生が選んだということに驚いて選評を読んだが、この作品を推した高校生の慧眼、恐れ入ります。彩瀬さんファンとして・高校生の子を持つ母親として、胸熱でした。

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