こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログユーザーのみなさん、2023年下半期の読書生活いかがでしたでしょうか?
ブクログスタッフも2023年下半期、色々な本を楽しみました。そこで今回は、スタッフが2023年下半期に読んだ本の中で、特におすすめしたいと思った「ベスト本」をご紹介いたします!
ぜひ、みなさんの2024年の読書生活に取り入れていただけると嬉しいです。
1.伊藤亜紗『体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』
あらすじ
「人間はどうやって“できる“ようになるのか」多くは、まず体が正しい動きを自然と理解し、その後頭で「あ、こういうことか」と納得すると言われています。テクノロジーを駆使してこの「気づき」を習得する過程を加速させることに挑んだ五人の科学者の研究を取り上げ、“できる“という能力の本質に迫る。
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・hiranodept)
VRを使ってバーチャル空間でけん玉のやり方を学んだ人のうち、実に96%が実際にけん玉を成功させたという話が出てきます。「えっ、身体ってそんなに簡単に騙せるの?」と驚かされるはず。自分が思っている通りには身体が動いていないかもしれない!?人体の不思議に興味がある人におすすめの本です。
「できるようになる」ことをテーマに身体とテクノロジーのこれからの関係を論ずる一冊。読み進めるに連れて自分がどう身体使ってきたか、使ってきてないかについて思いを巡らすことができる。
2.劉慈欣『三体III 死神永生 下』
あらすじ
宇宙戦艦〈藍色空間〉と新造艦〈万有引力〉は、宇宙空間で、高次元空間の名残りとおぼしき“四次元のかけら”に遭遇。〈万有引力〉に乗る宇宙論研究者の関一帆は、その体験から、この宇宙の巨大で暗い秘密を看破し……?
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・nt)
ついに読み終えました。シリーズ最終巻が、それまでを超えてくる異次元の面白さ! あの独特な世界観を展開したIが、宇宙に一つの答えを提示したIIが、そしてIII上巻で元気に飛んでったアレが… すべてIII下巻を楽しむための準備体操だったとは!?まずお伽話の謎解き展開が楽しい。着陸のシーンでは号泣。読了後は、思えばずいぶん遠くへ来たものだ……と茫然自失でした。
大長編三部作がようやく完結。加速度を増す物語に読むスピードも上がった。作中の登場人物も輪郭がはっきりした印象があるのは単にエピソードが増えたせいなのか描き方によるものか。面白いけど大長編故に簡単に人に勧めにくいところはあるが傑作である。三部作それぞれが趣きの異なる面白さがあったなぁと思う。
3.林真理子『私はスカーレット (上)』
あらすじ
南北戦争期のアメリカ南部を舞台に、大農園のわがまま娘スカーレット・オハラが恋に破れ、愛のない結婚・出産をし、敗戦で何もかも失い困窮しながらも、持ち前の生命力で激動を生き抜く姿を、彼女の一人称で描くエンタメ一代記。スカーレットの激しさ、強さと可愛さ、ダイナミック過ぎる展開に、一度読み出したらページをめくる手が止まらない!
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・たんたん)
原作『風と共に去りぬ』は未読でも問題なし!主人公スカーレットの驚くほどの傲慢さが、読んでいて逆に心地よいです。彼女は「私が一番綺麗!男はみんな私の虜!」と豪語するほど自己中心的。しかし、そのワガママさがなぜか魅力的で、読むうちに彼女のファンになってしまいます。元気をもらいたい時にぴったりの一冊です!
1文目からグイグイ引き込まれて、ページをめくる手が止まらなくなった。美人で気が強い大農園のお嬢様・スカーレットが、戦争に翻弄されながら、お嬢様時代には考えられないことに直面しながら、たくましくなっていく姿にしびれる……!強くて美しい主人公も、軽快な文体も大好き。
4.デニス・ダンカン『索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明』
あらすじ
索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。ドイツの印刷所、啓蒙派のコーヒーハウス、小説家の居間、大学の研究室を巡り、皇帝や法王、哲学者、首相、図書館員、プロの索引作成者たちを取材。13世紀の聖書の写本から今日の電子書籍にまで連なる道筋を描き出す。
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・rh)
便利なものとして索引が発明され広く利用される一方、索引だけ読んで本を読まなくなる人が出てきたことなど現代のタイパの時代にも通じる考えさせられる内容でした。索引だけではなく、章やページ番号の誕生も書かれていますのでぜひ読んでいただきたいです。
本作を読まれた方は、ぜひレビュー投稿をお願いいたします!
5.千早茜『赤い月の香り』
あらすじ
「君からはいつも強い怒りの匂いがした」。天才調香師は、人の「欲望」を「香り」に変える——。「直木賞」受賞第一作『透明な夜の香り』、大注目の続編!
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・keyone)
前作『透明な夜の香り』とは少し違いますが、こちらもとても素敵な作品でした。調香師の朔の優しさがいろいろな人に影響をして、最後には自分にも影響している、そんな姿がとても良かったです。前作との関連もあるため、どちらも読むのがおすすめです!
香りをテーマに前作の続きの物語が展開する。今度の家事手伝いは衝動的に暴力を振るってしまう満。一香も繊細だったが、満もまた繊細だ。匂い立つような文章表現に耽美さ、官能さを感じることもあり、反面清々しさや瑞々しさも感じる千早茜さんの技術は素晴らしい。香りは感情や記憶を刺激することは多くの人が共感でき、自分の匂いは内面から醸し出されてしまっていることを知る。だからこそ、良い匂いでいるために内面から健やかであるようにしたい。
今回は、ブクログスタッフが選ぶ、2023年下半期ベスト本をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね。