キラキラ共和国

著者 :
  • 幻冬舎
3.96
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本棚登録 : 3071
レビュー : 389
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031937

作品紹介・あらすじ

ツバキ文具店は、今日も大繁盛です。夫からの詫び状、憧れの文豪からの葉書、大切な人への最後の手紙…。伝えたい思い、聞きたかった言葉、承ります。『ツバキ文具店』待望の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 「ツバキ文具店」の続編。
    前作では、祖母に厳しく育てられた思い出、祖母を亡くし一人で生きていく、たくましく凛とした鳩子の姿が描かれていたが、本作では結婚し家族ができたことで、一人の食事を味気なく感じたりするなど、もう孤独な生活には戻りたくない、という鳩子の気持ちがひしひしと伝わってきました。
    母親になったことで、絶対祖母と同じような育児はしないと思いつつも、折々で祖母を思い出し、祖母はきっとこんな気持ちだったんだろうなぁ、と今初めて気付いたり‥‥旦那さんと思いっきり夫婦喧嘩をしてみたり‥‥なんだか、本作では鳩子の人間らしいところがたくさん見られて可愛らしかったです。
    全編を通して、死を意識する場面が多く描かれていました。大切な人が死んでしまっても、残された者が、ふと思い出す限り私たちの中に生き続けているんだと思います。 

  • そもそも、順番が逆なのだが、「ツバキ文具店」を読む前にこちらから先に読んでしまった(-_-)

    鎌倉には以前から行きたいと思っているのだが、残念ながらまだ一度も訪れたことがない。
    なので、見開きページに「鎌倉案内図」として、本作で登場するお店や社寺などが手書きの地図で記されており(もちろんツバキ文具店も)、これを見ているだけで楽しい。
    それに本作で例えば「八幡様を背にし、段葛を海の方に向かって歩いている」と書かれていても、恐れることなかれ!この地図を見ながら「なるほど」という感じで、情景を正確に理解することができる。
    読んでいる間、何度もこの地図を開いては、「ここからここを」とか、「この辺を歩いていた」とか理解の確認として、役に立った。

    鎌倉のお友達が、定期的に缶入り鳩サブレーを送ってくれるのだが、なぜ『クルミッ子』好きのオーラを出している私に『クルミッ子』ではなく、『鳩サブレー』なのかとずっと不思議であった。しかし、鎌倉の人にはあの『クルミッ子』よりも『鳩サブレー』の方が、鎌倉らしいのかとか、今にしてようやくわかり、お友達の心に感謝することができた。
    そして今まで、『鳩サブレ』と思っていたが、何と!『鳩サブレー』だったとか、鳩サブレーは鳩三郎から始まったとか、日常で使えそうな小ネタまで知ることができて、別の意味で楽しかった。

    小ネタ入手情報はさておき、本作は「ツバキ文具店」の続編。鎌倉で「ツバキ文具店」を先代から譲り受けた主人公・鳩子は「代書屋」として依頼者の気持ちを代筆する業を営んでいる。
    カフェを経営するミツローさんと娘・QPちゃんの小学校入学の日に入籍し雨宮鳩子から守景鳩子という名前に変わるところから始まる。
    ミツローさんとは、しばらくは週末婚の生活で日々代書の仕事にも追われている鳩子であった。やってくる依頼は、離婚の要望、お金の返済の要求、そして亡き夫からの手紙や川端康成としての手紙の依頼などの手紙の代書依頼がくる。そんな人たちの気持ちを考えながら鳩子なりに依頼者と受け取り側の人に対して敬意を持ち、誠実な対応を行う。家族と豊かで暖か時間を過ごす。

    本作の各章は食べ物がタイトルとなっていたり、本文中にも、ニコニコパンやスーラタンメン、鯛焼き、豆乳プリンなど食べ物の登場回数が高い。
    人の体は食によって作られている。美味しいものを食べることで、人は幸せになるということを作者が伝えていることは明らかである。それは以前読んだ「つるかめ助産院」でも、感じた。そんな作者の想いは私の中で『自然』と一体化する。小川糸先生の作品の世界で感じる温かさはこんなところからきているのでないかと思う。

    そう考えると、今回も文章はとても素直で自然だ。
    本作のタイトルにもなっている「キラキラ」。バーバラ婦人が教えてくれたキラキラの法則は実はおまじないなのだが、大人になって、こんな可愛いおまじないを事もなげに伝えることができる登場人物さえも温かい。

    そして最後に、改めて言いたい。こんな途轍もなく心が癒される小説が書ける作者が素敵だ。

    追伸: コロナが落ち着いたら、この「鎌倉案内図」を手に鎌倉に行きたい。

    • nejidonさん
      kurumicookiesさん、こんにちは(^^♪
      遅ればせながら、フォローして下さりありがとうございます。
      この本を読まれた方は、なぜ...
      kurumicookiesさん、こんにちは(^^♪
      遅ればせながら、フォローして下さりありがとうございます。
      この本を読まれた方は、なぜか鎌倉に憧れるようですね。
      はい、そこにおりますのでいつでもご用命くださいませ(*^-^*)
      小説を一切読まないので、なかなか皆さんの読書の参考になるようなレビューをあげられません。
      でも好みなので、仕方がないと諦めてくださいね・笑
      今後ともよろしくお願いします。
      2020/08/09
    • kurumicookiesさん
      nejidonさま、フォローありがとうございます。そして、コメントまでいただき恐縮です(≧∇≦)
      鎌倉に行く際は是非、情報をいただきたく宜...
      nejidonさま、フォローありがとうございます。そして、コメントまでいただき恐縮です(≧∇≦)
      鎌倉に行く際は是非、情報をいただきたく宜しくお願いします!
      小説以外の本でも興味があるのは沢山あり、nejidon様の本棚を参考にさせていただいております。

      どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
      コメントの返信のうまくいかないので、もし届いていなかったら、大変ご無礼いたします。
      2020/08/09
  • 大好きな『ツバキ文具店』の続編。
    いきなりの幸せモードに嬉しいやら恥ずかしいやら…。
    ポッポちゃんが幸せそうで本当に良かった。

    代書屋の仕事のエピソードはどれも相変わらず温かく優しい。
    盲目の少年がお母さんへ書いた感謝の手紙には涙腺崩壊。私も彼のほっぺにチューしたくなった。
    QPちゃんからの愛のカードにも泣けるし、幼い息子の喪中ハガキの依頼は本当に辛い…一つの物語の中で色々な涙を流した。

    キラキラ、キラキラ、と心の中で唱えるだけで心の暗闇に星が現れて明るくなれる…幸せのおまじないと素敵な家族と仲間が側にいてくれる!なんて幸せなんだろう!
    最初は不思議に思った今回のタイトル。その意味が分かり、これ以外ないと納得した。
    ポッポちゃんや周りの人達の喜びがストレートに伝わってきて泣いてばかりの読書だった。
    幸せのお裾分けを私も貰えた。
    ポッポちゃん、ありがとう。

  • 大好きな「ツバキ文具店」の続編。

    読み終えて「キラキラ共和国」という題名の意味を考え、ほっこりしました。
    「キラキラ」は前作でバーバラ夫人に教えて貰った幸せの呪文で、「共和国」は守景家や家族に関わってくれる人たちで築いていく日々のかたち。
    「王国」とか「国」とかじゃないのがいいな~としみじみ。

    今回は、代書屋の仕事もあるけど、どちらかといえば新しい家庭を築いていく鳩子の生活に寄り添った物語でした。

    3人らしい、家族のはじめかた。
    QPちゃん越しに感じる祖母の想いや戸惑い。
    悲しい死への向き合い方。
    QPちゃんの母としての美雪さんとの向き合い方。
    そして、実の母への想い。
    少しずつ成長して、共和国を築いていく鳩子の姿が微笑ましかったです。

    私は本のタイトルや目次を見て、これはどういう想いでつけられたのかなあ、と想像するのが好きなのですが、前作の目次が「夏」から始まる一年だった理由がピンと来ませんでした。
    (話の構成上、と言われたらそれまでですが笑)
    それも、本作を読んで、解決!
    どこまでもきれいな物語だなあと、また前作を読みたくなりました。

    レディババと鳩子の関係や、男爵一家のその後など、まだまだ先を知りたい。
    さらなる続編に期待!!

  • ほっとできるお話が、読みたくて手にとりました。
    前作同様、読むだけであたたかい気持ちになれました。
    QPちゃんのおとうさんのミツローさんとポッポちゃんが入籍しました。
    以下抜粋。
    「ミツローさんと出会ったのだって、たまたまだ。たまたま私がミツローさんの営むカフェに入ったから、知り合いになった。こんなふうに、目の前にあるものだけで、幸福を積み上げてしまっていいのかな、と思う。けれど、だからといって、世界中の人と知り合って、話したりデートしたりして「世界で一番」を選ぶなんて不可能だ。私の場合は、たまたまが、必然になって、今、こうしてQPちゃんと習字をしている」
    この何気ない、数行が一番心に残りました。
    ひとの一生って、こういうことの繰り返しで、できているのだろうなあと思いました。
    そうしているうちに、あっという間に過去を振り返ったりする年齢になってしまうのかもとも。
    最後の鳩子からミツローさんの前妻の美雪さんへの手紙が、どの代書よりも一番よかったです。
    ポッポちゃんの人生は、まだまだこれからです。
    楽しみですね。

    • kanegon69 さん
      小川糸さん、いずれ必ず読みます!^_^
      小川糸さん、いずれ必ず読みます!^_^
      2019/05/12
    • まことさん
      小川糸さんの、このシリーズを読むと、鎌倉に行ってみたくなります。行ったことはないですが、鎌倉ってちょっと、京都に似ている所のような気がします...
      小川糸さんの、このシリーズを読むと、鎌倉に行ってみたくなります。行ったことはないですが、鎌倉ってちょっと、京都に似ている所のような気がします(^^♪
      2019/05/12
  • ドロドロしたイヤミスも、あっと驚くどんでん返しミステリも、スカッとさわやかな青春小説も、どれも好きですけど、やはり読み終わった後にほっと肩の力が抜けるような、心の温度が一度上がるような、そんな優しい小説がいちばん好きです。
    『ツバキ文具店』を読み終わってからも自分の中にずっと住んでいるぽっぽちゃんたちとNHKのドラマでまた出会えたことがうれしくて仕方がありませんでした。終わった時のあの喪失感たるや。
    そして、今度は新しい一歩を踏み出したぽっぽちゃんたちとの再会がかなうなんて!
    今回は代書のおはなしたちよりも彼女たちの人生の変化の大きさに驚いたり喜んだりわくわくしたり、そして哀しくなったり…なんていうか、とても穏やかにゆっくりと走るジェットコースターに振り回されるような、そんな楽しみに満ちていました。
    ぽっぽちゃんの心が安定してきたから、舞い込んでくる代書のおねがいも心優しいモノになっているのかもしれませんね。
    それにしても人生って本当にどんな風に転がるかわからないものですね。彼女たちをみているとそう思います。
    ある日、偶然の出会いで人生が変わっていく。そしていくつもの選択の結果、私たちの人生はのぼったりおりたり曲がったり戻ったりしているのですね。だから面白い。
    読み終わるのがいやで、後半は一日一章ずつ読んでいきました。なんていうか、気分はご近所さんなんですよ、明日、水色の便せんを買いに行かなきゃ、なんて思ったり。
    願わくば、誰もが笑顔で明日も過ごせますように、と、ただただそれだけ

  • ツバキ文具店の続編。

    普通続編は、それ単独で読んでも大抵内容が分かるように構成されるものだが、この本はツバキ文具店を読んでいないと、登場人物も背景も想像しづらいのではないかな?

    是非ツバキ文具店から読んで頂きたい(*^▽^*)


    相変わらず、ほんわか、美しいストーリー。
    自信を持って子供達にも読むことをお勧めできる本。

    短調なのに、どこかほんわか、とても温かみのあるストーリー。

    お手紙がメインだが、私は彼女が作るお料理に心和ませて頂いている。
    今の忙しい世の中から、少し離れることができるからなのか?おばあちゃんの味だからなのか?

    素敵なキッチンだなぁと思う。

  • 前に読んだ「ツバキ文具店」の続編と言う当作品、前作の内容が曖昧になっていたけど読み進めるうちに思い出されてきた。語り手のポッポこと鳩子の 前作以降の暮らしがほのぼのと温かくホンワカと推移していくけど実は劇的な出来事が随所に散りばめられていて途中停車がしにくかった 笑。そして作品自体もまだまだ途中停車するのがムリそうな内容の終わり方なので続々編も期待しても良さそうですね♪

  • 今回も心が温かくなるような内容でした。
    ポッポちゃんこと鳩子がミツローさんと結婚し、QPちゃんとのほんわかした日常がメインでした。

    代書っていう仕事もなかなか難しいものですね。
    離婚したいだの、したくないだの、そんな自分には関係ない人生に代書というかたちで関わらないといけないし。

    でもいいなって思ったのは、川端康成からの手紙を貰いたいって話。
    あっ、そういうの私もしてもらいたいかもって思っちゃった。

    ポッポちゃんから美雪さんへの手紙、キラキラしてて素敵です。

  • 「ツバキ文具店」の続編。
    クラシカルなタイトルの1冊目と違って、なんだか気恥しい響きなのでしばらく敬遠していたけれど、鎌倉住まいをお洒落に楽しんでいるような雰囲気の前作よりも逆に落ち着いた内容だった。

    おばあ様にたわめられながら育った子ども時代を恨み、そこからもがきながら抜け出そうとする、まだお尻に卵の殻をくっつけているようなポッポちゃんを描いたのが前作なら、新しい家族を得て、先代であるおばあ様がどのような思いで自分を育ててくれたのか思い遣る気持も芽生え、より深く命を見つめる目を持ったのが今作だ。

    代書の仕事に感じる難しさも、「未熟な自分に、お客様になりきって書くことが出来るだろうか」という尻ごみしたくなるような恐れから、「この人が心から望む気持ちを代弁できるのか。代書が引き起こす結果は、お客さまの望むものだろうか」という責任の重さを感じるようになる。
    ポッポちゃん、ではなく、鳩子、と名前で呼ぶのがふさわしい大人の女性への成長を感じる。華やかでにぎやかな観光地鎌倉よりも、しっとりと古都を、表通りよりも裏山の鳥の声を感じられる鎌倉だった。

    男爵と帆子さんの家族のこれからが気になる。

    『ヨモギ団子』『イタリアンジェラート』『むかごご飯』『蕗味噌』

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    ドラマでバーバラ婦人を演じた江波杏子さんが永眠されました。
    ご冥福をお祈りいたします。
    本を読んでいても、あの時のキャストの顔が浮かんでくる、良いドラマでした。

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著者プロフィール

1973年生まれ。 2008年に発表した小説『食堂かたつむり』が映画化され、ベストセラーに。 同書はイタリアのバンカレッラ賞と、フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞した。その他の主な著書に、『まどれーぬちゃんとまほうのおかし』、『ファミリーツリー』、『リボン』、『にじいろガーデン』、『つるかめ助産院』、『サーカスの夜に』などがある。

「2015年 『かようびのドレス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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