感想・レビュー・書評

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  • 各界の大御所38名が、嬉々として一家言を擁する「蕎麦」に関して朗々と綴っておられるのだ。
    当然お店の紹介もあるのだが、決して今流行りのお店評価の内容ではなく、愛する「蕎麦」への蘊蓄を一冊にまとめたものだ。
    語り手は皆さん大人ばかりで、ワイワイガヤガヤの語りではなく、大真面目に「蕎麦」文化をご披露なさっておられるのだ。
    江戸、すなわち東京エリア中心の蕎麦談義なので、東京圏外の方達には少々気が削がれるかも知れない。
    がしかし、江戸が発明した江戸蕎麦、即ち細切り蕎麦がお好きな人であれば、とても面白い一冊となる筈だ。

  • 昔はそばを食べるというのは今の喫茶店でお茶を飲むのと同じような行為で、もともとは腹を満たす食事ではなかった。店によっては蕎麦の量が異様に少ないのはこのせい。しかし、おいしいと感じた途端に終わってしまうのは、あまりに悲しい。どこかに蕎麦が隠れているのではと器に敷いてある簀の子の下まで探したくなる。そういうときの一計がダブル注文。まずは、ざるを一枚注文し、その後に温かい蕎麦を食べる。ダブルにしたり、次はこれを注文しようかと、頭に思い描いては、よだれを垂らしている。蕎麦命を豪語する著者執念の雄叫びが満腔に響きわたる。

  • そばに対する思いやこだわり、昼間の蕎麦屋でのひとり酒、旅先や取材先での蕎麦への思い出など、様々な時代の人によるエッセイ。
    そばに対する知識も深まりました。
    集められたエッセイの著者も小説家から噺家までと幅広く、想像していたアンソロジーとはちょっと違っていた。
    シリーズの他の本も読んでみたい。

  • 当然のように蕎麦が食べたくなります。すでに故人となっている方々の作品、少し前の時代の中で描かれる蕎麦の情景がノスタルジックで特に良かった。

  • ・立ち食いそばからやぶそばまで。
    ・作家ごとに作風の振れ幅が大きい。合う人には合うと思う。

  • 池波先生の随筆は、出だしからしびれます。
    辛めのツユの天麩羅蕎麦で、熱燗をやりたいところ。これもシズル感のひとつ

  • 蕎麦といえば、休日のお昼とか駅そばとか身近な存在(^^)スキスキ~♪と思って読みはじめたら、いきなり通な大人の食べ物に…(゚A゚;)でも、こういうアンソロジーって最初は食通の人達で始まる事を知っている私( ̄ー ̄)ニヤリ あ~でもいつかは蕎麦屋で酒も嗜んでみたい~(>.<)

  • 各界の著名人が“そば”について綴った文章と、“そば”をテーマにした様々な写真作品を掲載した、楽しい一冊。文学とフォトグラフィーで味わう“そば”という料理の世界観。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00531142

  • そばの美味しさに気づいて、幸せとともに重ねた年齢を噛みしめる。

    すこしずつ、美味しい蕎麦と出逢う喜びが待っている。

    並木藪蕎麦/浅草
    冨楽庵/中目黒
    驀仙坊/中目黒
    吉法師/碑文谷
    翁庵/神楽坂

  • そばにまつわるエッセイ38編。池波正太郎に始まり檀一雄で終わる。タモリ、群ようこ、黒柳徹子等バラエティーに富む内容。

  • 色んな方のが読めるのがいい。

  • アンソロジー、そば。
    で、特になんの説明もなくひたすらそばに
    関するエッセイだけで良し。
    最近のお仲間感ばかりアピールする
    アンソロジーには辟易する。
    最近なぜか蕎麦が食べたくて食べたくて、
    読んでまた食べたくなった。
    小さい頃はあまり好きじゃなかったのに、
    これが大人になるということか…
    まだ日本酒も飲めないけど、
    蕎麦屋での一杯には確かに憧れる。
    ただ、東京のまずい水で作るそばに
    美味いも不味いも差があるか?と思う長野生まれ。
    やはり知り合いがやっている蕎麦屋の蕎麦が一番美味しいな。
    県外車も多いわけだ。

  • 一行目:ひとりで町を歩いていて、ひとりで酒がのみたくなったら、私は迷わず蕎麦屋でのむ。
    老舗蕎麦屋の話が多いが、自分でも打ったり、奥地までわざわざ食べに行ったり、店主の人柄であったりー。これまでのカレーライスやお弁当とおは違った味わいでまた面白い。
    特に、どうしても蕎麦=お酒となるようで、呑んだ話と一体になっているものが多い。ごくり。

  • 2015-9-7
    蕎麦が食べたい

  • この間は別のアンソロジーでラーメン読んで、
    どうしてもラーメンが食べたくなった。
    もちろん、食べた。
    今回ももちろんそばが食べたくなった。
    あいにく、在庫がなくて食べれなかった…。

  • 面白い。カレー編より面白いかも。

  • いいね、そば。
    普段はうどん派だけど。
    タモリのように、おそば屋さんに入って軽くつまみも頼んで
    、陽の明るいうちからお酒を飲む、一回やってみたいな。

  • そば、とくれば「江戸っ子」だろう。関西人としては、心のどこかに「ケッ」という気持ちがあるのを否定しがたく、そばなんてそんなおいしいもんじゃないよね、他にうまいものがないんでしょ、大体東京の麺類の真っ黒な汁はどうよ、なぞと悪態をつきたくなる。ところが、これを読んでると、むらむらと、ああ、おいしいそばが食べたい!今すぐに!と、新幹線に飛び乗りたくなってしまう。

    そばを語るのは、江戸(東京)を語ること。池波正太郎、杉浦日向子、山口瞳、吉行淳之介、松浦弥太郎…、名だたる名手たちが登場して、滋味あふれる語りを聞かせてくれる。池波・山口両氏のものは、以前読んでよく覚えているものだった。こういう練達の語りをもう読めないのがあらためて寂しい。

    一方で、関西出身者のそば語りも載っていて、これがまた面白い。川上未映子さんが、いつものリズミカルな言葉で、はじめて東京でそばを食べた時のオドロキを語っていて、そうそう!とうなずく。中島らもさんが、蕎麦屋で酒を飲むクセがついたのは何故かということを書いていた。大衆酒場はやかましくて耳をおおいたくなるが、「そば屋には酔っぱらいがいない」「見たことありますか?そば屋で大酒飲んで隣の客にからんだり、友人にかつがれて帰ったりしている人を」。うーん、確かに。有線のない店も多く、「ひっそりした店の中で、まばらな客から少し離れて、ほんの少し後ろめたい思いをしながら酒を飲むのはいいものだ」。ちょっとやってみたくなるなあ。

    もちろん、地方のそばも様々出てくる。このシリーズはいつもそうだが、バラエティに富んだ書き手が選ばれていて、自分からはまず手を出さない方の文章が読めるのが楽しい。今回は、神吉拓郎氏、獅子文六氏のものが、どちらも飄々とした味わいで面白かった。

    表紙の写真はかけそば(関西ではこういう言い方はしないと思うが)。先日夕刊で連載中の「勝手に関西遺産」で、「東京のネギは白い」ということを知り、びっくりしたが(いやあこの歳になっても知らんことっていっぱいあるのね)、この写真で、やっぱり、と確認。汁も当然黒いねえ。思い出すのは京都での大学時代、東京出身の友人が大学食堂で初めてうどんを食べた時の話だ。うすーい色の汁に困惑した友人は、そうか!これは自分で醤油を入れて味をつけて食べるんだなと思い、卓上の醤油をたっぷり入れたそうだ。当然食べられたものではなかったわけだが、周囲からの冷ややかな視線が悲しかったと言っていた。悪いけど、笑った。 

  • 読むと必ずそばが食べたくなります。そして浅草並木に行きたくなります。先月読んだ「アンソロジー カレーライス!」よりもおもしろい。

  • 914.68

  • 2014年12月刊。各界の38人、38編のそばにまつわるエッセイ。多彩なお話で、素敵な写真もあり、読んでいるとそばが、もの凄く食べたくなりました。

  • 冒頭の池波正太郎の話から最後の最後まで引き込まれるように読みきった。

  • このシリーズのカレー編から興味を持ち、面白く、ふむふむとする話が多かったので、本編もどんな話が飛び出すのか興味深く読んだのである。そばひとつにしても様々な思い出、推している店など、楽しく読めてしまった。そばに酒の組み合わせは、理解しがたい部分もあったが、読んでいる内にこれも蕎麦を食べる上での楽しみ、粋な嗜みだなと感じた。汁を肴にする、それとも一品料理なのかな。蕎麦屋に対するイメージが変化したかもしれない。今の自分はそばを語るのは難しいと思ってしまう。読んでいる内に食べたくなり、食べた次第である。

  • 往年の作家等から現在活躍中の作家等の蕎麦にまつわる思いがひしひしと傳わる一冊です。蕎麦好きの自分としては、いてもたっても居られず、すぐに盛蕎麦をいただきました。
    お気に入りの蕎麦屋さんでいただく、「蕎麦前」に美味しいお酒イイですね!

  • 蕎麦よりうどん派ですが、蕎麦も大好きですよ。大人になってからより好きになったなーと思いながら読んだ。

  • アンソロジーシリーズ、ヤバいですっっ!もう、のっけから蕎麦屋呑みはしたいわ、いろんな蕎麦は食べたくなるわ、ええっ!そんな食べ方!?と調べてみたくなるわ、作ってみたくなるわで、もー大変ですっ!!www

  • 麺類の中で、そばは独特。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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